六訂版 家庭医学大全科 「動悸がする、脈が飛ぶ」の解説
動悸がする、脈が飛ぶ
どうきがする、みゃくがとぶ
Palpitation, skipped heartbeat
(お年寄りの病気)
どのような症状か
心臓は1分間におよそ50~100前後の脈を打ちます。自分で手首の親指の付け根に触れれば、脈拍を感じることが可能でしょう。動いた後は多少脈拍が多くなり、動悸として感じられるかもしれません。それが一定の間隔で1分間に120程度以下であり、安静とともに脈拍数が下がっていけば問題ありません。
ただ、突然起こる1分間に120~130以上の脈拍は不整脈(ふせいみゃく)であることが多く、心電図をとる必要があります。さらに、一定の間隔で打たない場合は、
一方、脈拍がいつも50以下の場合(
脈が飛ぶ場合、数回に1回脈が抜けるという場合はあまりあわてなくてもかまいません。多くが
必要な検査と疑われる病気
不整脈の診断には、心電図やホルター心電図が必要です。とくに、ホルター心電図は24時間にわたって記録することが可能で、患者さんが気づかなかった不整脈も診断できます。
心房性期外収縮や心室性期外収縮は比較的良性の不整脈ですが、発作性心房細動(ほっさせいしんぼうさいどう)や心室頻拍(しんしつひんぱく)では治療が必要になります。心室頻拍は、基礎に
また、徐脈の場合は房室(ぼうしつ)ブロックや洞不全(どうふぜん)症候群の可能性があります。失神症状を伴う場合は、緊急に心臓ペースメーカーによる治療が必要です。
家庭での対処のしかた
動悸にめまいや失神を伴う場合は、
動悸以外の症状がない場合は、まず1分間の正確な脈拍数や、脈拍の抜け具合を観察してください。これらの情報は不整脈を診断する際に非常に参考になります。1分間の脈拍数が明らかに140を超える場合は、できるだけ早く医療機関(内科、循環器内科)を受診してください。
土持 英嗣
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報