北川進(読み)きたがわすすむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北川進」の意味・わかりやすい解説

北川進
きたがわすすむ

[生]1951.7.4. 京都,京都
無機化学者。ナノ(10億分の1)メートルサイズの孔を無数にもつ多孔性材料金属有機構造体 Metal Organic Frameworks; MOFの開発に取り組み,2025年に「金属有機構造体の開発」により,オーストラリアのリチャード・ロブソン,アメリカ合衆国のオマール・M.ヤギーとともにノーベル化学賞(→ノーベル賞)を受賞した。
1974年京都大学工学部卒業。1979年同大学院博士課程修了。1979年近畿大学理工学部助手,1983年同理工学部講師,1988年同理工学部助教授,1992年東京都立大学理学部教授,1998年京都大学大学院工学研究科教授,2007年京都大学物質-細胞統合システム拠点副拠点長,2013年同拠点長,2017年京都大学高等研究院特別教授。
1997年に金属イオン有機化合物とを結合させることでナノサイズの規則的な孔を無数に有する新しいタイプの多孔性材料,金属有機構造体を開発し,この材料の細孔中に,メタン窒素酸素などの気体室温で大量に取り込み,放出することができることを発見した。1998年には物質の吸着解離や外部の刺激によって構造が変化する性質を利用することで,金属有機構造体に新しい特性を付与できる可能性を提唱した。2002年,圧力によって細孔が開閉する柔軟な金属有機構造体を実証。その後もさまざまな性質をもつ金属有機構造体を開発し,学術的,産業的価値を大きく広げ,「配位空間の化学」という分野を創成した。金属有機構造体は,分析化学およびセンサバイオセンサを含む),電池および燃料電池技術,分離工学(分離科学),合成触媒,乾燥(低湿度)空気からの水分回収,水浄化および環境修復,有害物質の捕捉・分解,エネルギーの変換・貯蔵,水素生成,食品安全,薬物送達および診断・治療など,さまざまな産業利用が期待されている。
2010年トムソン・ロイター引用栄誉賞,2011年紫綬褒章,2016年日本学士院賞,2017年藤原賞,2017年化学メーカーのソルベイよりソルベイ未来化学賞,2025年文化勲章など国内外の受賞・受章多数。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北川進」の解説

北川進 きたがわ-すすむ

1951- 昭和後期-平成時代の化学者。
昭和26年7月4日生まれ。近畿大の講師,助教授をへて,平成4年東京都立大(現・首都大学東京)教授。10年京大教授。専門錯体化学で,金属と有機物の複合物質の合成で知られる。14年日本化学会学術賞,20年フンボルト賞。22年トムソン・ロイター引用栄誉賞。京都府出身。京大卒。

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