コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

卓袱料理 しっぽくりょうり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

卓袱料理
しっぽくりょうり

中国風の食事様式を取入れた長崎の名物料理。卓袱テーブルクロスを意味する唐音である。1つの卓を囲んで,大きな皿に盛った料理を,各自が小皿に取分けて食べる様式。中国から伝わった同形式の普茶料理が精進であるのに対し,魚介・肉類を用いるのが特徴。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

しっぽく‐りょうり〔‐レウリ〕【×袱料理】

中国料理に日本料理手法を加えた長崎特有の料理。大きなに料理を盛って食卓中央に置く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

しっぽくりょうり【卓袱料理】

長崎地方の郷土料理。中国の精進料理が伝来して日本化したもの。主として魚を用い、大鉢・中鉢などに盛って一つの卓に供する。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本の郷土料理がわかる辞典の解説

しっぽくりょうり【卓袱料理】


長崎の郷土料理で、ひとつの円卓を囲んで大皿に盛られた料理を各自がとり分けて食べる中国の食事様式をとり入れたもの。料理は椀以外は人数分を大皿に盛る。お鰭(ひれ)という吸い物で始まり、大皿や大鉢に盛られた刺身、豚の角煮、長崎天ぷらなどの料理が続き、最後は「梅椀」と呼ばれる汁粉などの甘味となる。

出典 講談社日本の郷土料理がわかる辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

卓袱料理
しっぽくりょうり

卓袱は卓を覆う布のことで、いまのテーブルクロスの意。転じてその卓をいい、さらにその卓上に並ぶ料理の意に転じた。「しっぽく」と読むのは唐音である。寛永(かんえい)年間(1624~44)に鎖国によって諸外国と国交を絶ったが、長崎だけは中国とスペイン、ポルトガル、オランダの諸国に開放していた。その長崎で、主として中国料理を中心に、日本料理の一部を加えてつくりあげたのが卓袱料理であり、地名をとって長崎料理ともいった。献立の特徴は、前菜風の小菜(しょうさい)、温菜(椀物(わんもの))、大皿、大鉢、梅椀(うめわん)(甘味)に分かれ、いずれも偶数の料理をそろえて、椀以外は大皿に盛る。食卓は円形で4人、8人など偶数で決められる。長崎にこの料理が生まれると、享保(きょうほう)年間(1716~36)に京都祇園(ぎおん)下河原に佐野屋嘉兵衛(かへえ)という者が長崎から上ってきて卓袱料理を始め、好評であったという。江戸にも同様のものができたが、あまり繁盛しなかった。卓袱料理のなかから豚の角煮は関西料理に取り入れられている。鹿児島の豚料理しゅんかんと豚骨(とんこつ)も、長崎の卓袱料理からの思い付き料理とみる人もいる。日本そばの種物にも、しっぽくの名のものがある。長崎ちゃんぽん、皿うどんも卓袱料理から出たものである。[多田鉄之助]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の卓袱料理の言及

【郷土料理】より

…(4)古く外国や他地方の影響をうけて成立し,その地方の伝統的な料理となったもの。長崎の卓袱(しつぽく)料理などがこれにあたる。近年,人口の都市集中や飲食店の多様化などによって,大都市には郷土料理店が激増し,いながらにして各地の名物や料理に接しうるようになったが,その反面,郷土料理本来の素朴さは失われつつあるのが現状である。…

※「卓袱料理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

卓袱料理の関連キーワードまんばのけんちゃん坂本屋角煮めし黄檗料理けんちん精進料理中国料理パスティ料理通卓袱鍋ひれ花月巻繊

卓袱料理の関連情報