卓袱(読み)シッポク

デジタル大辞泉の解説

しっ‐ぽく【×袱】

《卓の覆いの意》中国風の食卓。4脚で高さ1メートル弱。多くは朱塗りで周囲に紅白の紗綾(さや)を垂れる。しっぽく台。
関西や信州で、そば・うどんにキノコ・かまぼこ・野菜などを入れて煮る料理。しっぽくうどん。しっぽこ。
卓袱料理」の

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百科事典マイペディアの解説

卓袱【しっぽく】

卓褓料理とも。長崎の郷土料理。日本化した中国料理で西洋風も加味されている。主客が一を囲む形式で江戸中期特に流行した。卓袱は本来は卓のおおい布のことで,それが卓および卓上の料理のとなった。初め小菜,次いで温菜が順次出され,豚の角煮や食後の汁粉などが特徴。なお寺卓袱とは精進料理の卓袱で普茶(ふちゃ)料理をいう。
→関連項目中国料理

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世界大百科事典 第2版の解説

しっぽく【卓袱】

江戸時代に将来された中国料理は,民間在俗の料理と,黄檗(おうばく)などによって伝来された僧院料理の2系統があり,前者は卓袱料理といい,後者は普茶料理と呼ばれた。卓袱は〈しっぽこ〉〈すっぽこ〉などとも呼ばれ,〈卓子〉〈食卓〉の字もあてられ,八僊卓(ぱすえんちよ)と称されることもあった。卓袱はテーブルクロス,八僊卓は方形で8人掛けテーブルの意である。卓袱料理は長崎で始まった。 17世紀末の長崎には,人口のおよそ1割を占める中国人が滞留したが,彼らは出島に隔離されたオランダ人とちがって,当初は市中の居住が許され,市民との交流も放任された。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しっ‐ぽく【卓袱】

〘名〙 (「しつ」「ほく」はそれぞれ「卓」「袱」の唐音)
① 中国風の食卓をおおう布。また転じて、四本脚のついた、高さ一メートルほどの朱漆で塗った食卓をさしていう。しっぽくだい。しっぽこだい。〔和訓栞(1777‐1862)〕
※浮世草子・諸芸袖日記(1743)四「しっぽくとやら申して、一つの鍋で煮た物を、そうぞうが箸を入れて喰ひあひ」
③ そば、またはうどんに、かまぼこ、きのこ、野菜などの具をのせて、かけ汁をかけたもの。
※歌舞伎・彩入御伽草(おつま八郎兵衛)(1808)大詰「『うぬに食はせる蕎麦があるものか。蚯蚓(みみず)でも食はしてやらう』『しっぽくか、にふ麺(めん)にせう』」

しっ‐ぽこ【卓袱】

〘名〙 「しっぽく(卓袱)」の変化した語。
※洒落本・金錦三調伝(1783)「『なんぞちょびと喰しゃれ』『大ひらにでもいたしませうか、またしっぽこ、おさしみはどふで御ざります』」

ちゃ‐ぶ【卓袱】

〘名〙 食事。めし。

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