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南蛮屏風 なんばんびょうぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

南蛮屏風
なんばんびょうぶ

南蛮人渡来屏風,長崎屏風,黒船屏風ともいう。安土桃山時代から江戸時代初期にかけてポルトガル人来航の情景を描いた風俗屏風。技法や様式は日本在来のものであるが,主題は当時の南蛮趣味の影響を色濃く受けている。南蛮屏風は日本および外国に 60点以上現存,そのほとんどが文禄慶長~寛永期 (1592~1640) 頃に狩野派およびその流れをくむ町絵師の手で制作されたと推定される。

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デジタル大辞泉の解説

なんばん‐びょうぶ〔‐ビヤウブ〕【南蛮×屏風】

桃山時代から江戸初期にかけて、ポルトガル人来航の様子や風俗を描いた屏風。主題は異国的であるが、表現技法は在来の大和絵と変わらない。長崎屏風。

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百科事典マイペディアの解説

南蛮屏風【なんばんびょうぶ】

桃山〜江戸初期に盛行した風俗画の一ジャンルで,南蛮人とその風俗を主題とした屏風画のこと。南蛮船の外国出港と日本への入港の情景や南蛮人遊楽のさま等を描いたもので,技法的には同時期の他の風俗画と全く同じである。
→関連項目南蛮船南蛮美術

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

南蛮屏風
なんばんびょうぶ

近世初期風俗画の一主題。日本の港に来航したポルトガル船と乗組員たちの荷揚げ、提督(カピタン)の上陸場面を主要モチーフとして、珍奇な文物、舶載(はくさい)動物、出迎えの宣教師、修道士たちなどを描写し、金雲を配した装飾性の高い屏風で、南蛮人渡来図(なんばんじんとらいず)とも呼ばれる。左隻(させき)に入港、右隻に乗組員の行列という構成を定型とするが、左隻に空想的な異国風景を配する図柄もある。
 制作は16世紀末から17世紀後期頃までと推定され、作者としては狩野内膳(かのうないぜん)(1570―1616)をはじめ狩野光信(みつのぶ)(1561/1565―1608)、狩野山楽(さんらく)など桃山期の一級の狩野派の絵師が想定されるほか、長谷川派、雲谷(うんこく)派などによっても描かれている。キリスト教の禁教後、鎖国体制確立後の制作では、南蛮風俗の写実味が薄れ、交易図の特徴が強調されている。[岡 泰正]
『岡本良知・高見沢忠雄著『南蛮屏風』全2巻(1970・鹿島研究所出版会) ▽坂本満・井出洋一郎他著『日本屏風絵集成15 南蛮風俗』(1979・講談社) ▽坂本満編『南蛮屏風』(『日本の美術135』1975・至文堂) ▽坂本満他編・著『南蛮屏風集成』(2008・中央公論美術社)』

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