原史時代(読み)げんしじだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歴史を先史時代,原史時代,歴史 (有史) 時代と3つに分ける場合の時代区分の一つ。 protohistoric times (英語) ,Frühgeschichte (ドイツ語) の訳語民族国家の歴史構成を,文献史料の有無によって編述する場合,文献史料が豊富に存在する時代を歴史時代または有史時代と呼び,文書記録がまったくない,歴史に先行する時代を先史時代と呼ぶ。この先史時代と歴史時代の中間にあたる過渡期を,原史時代という。すなわち,文献や伝承が断片的に存在し,遺物遺跡によってある程度その民族や国家の様相を知りうる時代のことである。したがって,資料の種類とその量とによって時代を区分するので,原史時代と歴史時代との過渡期をどこにおくかはの分れるところである。日本では原史時代の時期を,古墳時代とする,古墳時代から推古天皇時代以前とする説などがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

史書という意味で〈歴史〉をとらえるとき,同時代文献の存在しない時代を先史時代,存在する時代を歴史時代とよび,その過渡的時代,つまり同時代文献が量的に少なく,内容的にもおぼろげな時代を原史時代の名でよぶことがある。日本の場合は,先土器・縄文・弥生時代が先史時代,古墳時代が原史時代として扱われることが多い。ただし《魏志倭人伝》の存在を重視し弥生時代を原史時代とみる向きもある。英語のprotohistoryの訳だが,英語ではむしろearly historyとよぶことが多く,ドイツ語のFrühgeschichteに対応する。

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大辞林 第三版の解説

考古学上の時代区分の一。先史時代と歴史時代との中間の時代。断片的に文献が残存。日本では一説に弥生時代を含め、主に古墳時代をいう。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 考古学上の時代区分の一つ。断片的に史料、文献が存在する時代。日本では先史時代につぎ、彌生から古墳時代に当てる。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

文献史料が少なく,社会の様相を知るのに不十分な時代
文字・記録の皆無の時代を先史時代,文献史料の豊富に存在する時代を歴史時代というが,その間の時代をいう。日本では3世紀から7世紀がこの時代に相当するが,現在ではあまり用いられない。

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