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切韻 せついんQie-yun

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

切韻
せついん
Qie-yun

中国,隋の韻書。陸法言らの編。5巻。仁寿1 (601) 年成立。反切によって漢字の音を表わし,193韻を平,上,去,入の四声に分類した書。陸法言,劉臻 (りゅうしん) ,顔之推盧思道,魏彦淵,李若,蕭該,辛徳源,薛道衡 (せつどうこう) の9人が古今各地の韻書について議論した結果を,陸法言が系統的に整理した。原本は早く失われたが敦煌 (とんこう) から一部が発見されている。唐代,他の韻書を圧倒して,詩の押韻の基準に用いられ,その後,王仁く (おうじんく) の『刊謬補欠切韻』,孫めん (そんめん) の『唐韻』などにより増補,北宋の陳彭年 (ちんほうねん) の『広韻』で集大成された。これらは「切韻系韻書」と呼ばれる。中上古の中国語の体系や音韻を推定するための貴重な資料。

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デジタル大辞泉の解説

せつ‐いん〔‐ヰン〕【切韻】

漢字の発音を知る方法の一。漢字2字を用いて1字の音をつづり出すこと。反切。悉曇学(しったんがく)でいう反音にあたる。

せついん【切韻】[書名]

中国隋代の音韻字書。5巻。陸法言らの著。601年刊。のちの「広韻」「唐韻」のもとになった。

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百科事典マイペディアの解説

切韻【せついん】

中国,隋代の陸法言が撰した韻引きの辞書。601年の序がある。六朝時代韻書の集大成。反切の法による韻引きの辞書は元来作詩家のために提供されたものであるが,今では中古音を再現するために不可欠の資料となった。

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世界大百科事典 第2版の解説

せついん【切韻 Qiè yùn】

中国,六朝韻書の集大成として,隋の陸法言により601年(仁寿1)に作られた韻書。詩文押韻の基準とされ,以後重んぜられ,多くの増補改訂版が作られた。長孫訥言(とつげん)《切韻》,王仁昫(おうじんく)《刊謬補欠切韻》,孫愐(そんべん)《唐韻》などがおもなもので,このうち王仁昫の完本が近年発見され,研究が進められている。《広韻》は最後の増補改定版で,これらの韻書は切韻系韻書と総称され,中国語の中古音研究の基本資料となっている。

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大辞林 第三版の解説

せついん【切韻】

せついん【切韻】

中国最古の韻書。五巻。陸法言らの編。601年成立。韻によって字を掲げ、反切・字義を示す。後代の韻書の範となり、字音研究の基本資料として重要な位置を占める。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

切韻
せついん

中国の韻書。五巻。陸法言(りくほうげん)(560ころ―?)撰(せん)。601年(隋(ずい)の仁寿1)成書。韻書とは、作詩の際に押韻字を選びうる範囲(すなわち韻)を定めた一種の字書。顔之推(がんしすい)、蕭該(しょうがい)、陸爽(りくそう)(著者の父)など著名な学者が六朝(りくちょう)の諸韻書を批判して定めた案により、最善の分韻を示すものとして編まれた。書名は「適なる書」の意。1万2000余の漢字を193の韻に分けた。韻の内部は同音字を集めた小韻に分かれ、反切(はんせつ)を用いてその発音が記された。権威ある韻書として世に迎えられ、唐の王仁(おうじんく)『刊謬補缺(かんびょうほけつ)切韻』、孫(そんめん)『唐韻』、北宋(ほくそう)の『広韻』など多くの増訂本がつくられ、これらは切韻系韻書と総称される。ただし、これらの分韻にはあまりに細かすぎる点があるため、唐の詩人たちは発音の近い韻を適宜通用して押韻字を選んでいる。『切韻』そのものは亡逸したが、『広韻』と完本(かんぽん)『刊謬補缺切韻』(第二次世界大戦後に発見)が現存し、また種々の切韻系韻書断簡が敦煌(とんこう)などから発見され、これらを通じて『切韻』の内容をだいたい推定できる。推定された『切韻』の反切をもとに言語学的方法により再構成される発音体系(「中古音」という)は、詳細を知ることのできる最古の中国語音として、中国語音韻史の重要な節目(ふしめ)をなしている。[平山久雄]
『藤堂明保著『中国語音韻論』(1980・光生館) ▽小川環樹著『唐詩の押韻』(『中国語学研究』所収・1977・創文社)』

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世界大百科事典内の切韻の言及

【韻書】より

…魏の李登《声類》が嚆矢(こうし)とされるが,いま伝わらない。陸法言《切韻》(601)は,切韻系韻書の原点である。《切韻》には敦煌出土の3種の残欠本があって,大英図書館に蔵されている。…

【音韻学】より

…これを韻書という。六朝の韻書は隋にはいって集大成され,陸法言の編である《切韻》(601)に結実した。ここにいたって韻の体系化はほぼ完成されたといってよい。…

※「切韻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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