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反歌 はんか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

反歌
はんか

長歌のあとに添えられている1首または数首の短歌。『万葉集』には旋頭歌の添えられた例もあるが例外的。長歌の意の要約,補足や,比較的客観的に事を叙した長歌に対し詠嘆するものなどが多いが,なかには同時同所の作という理由で反歌とされているものもある。中国のの反辞もしくは楚辞の「乱」にならって成立したとするのが通説。これに対して歌謡の末尾の繰返しが独立したものとする説があるが,そのような例が古い歌謡や和歌にほとんど見当らないことから,あったとしても副次的と考えられる。長歌に反歌を添えることは柿本人麻呂の頃にほぼ一般化したが,それ以後にも反歌を伴わない例がある。

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デジタル大辞泉の解説

はん‐か【反歌】

長歌のあとに詠み添える短歌。長歌の意を反復・補足または要約するもの。1首ないし数首からなる。万葉集に例が多い。かえしうた。

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百科事典マイペディアの解説

反歌【はんか】

長歌のあとに添えてその意を補足したり強調したりする短歌。普通長歌1首に,1首または数首の短歌を添える。古い時代の長歌には反歌のないものがあり,また反歌が旋頭歌(せどうか)になっている例もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

はんか【反歌】

長歌の後に付された歌。例外的に旋頭歌(せどうか)形式のものもあるが,歌体は短歌形式で,その数は1首から数首に及ぶものもある。内容的には,長歌の末尾部をくり返すもの,主想部をまとめたものなどが古くは中心であったが,《万葉集》第2期の柿本人麻呂の時代から,主題や内容をあらたに展開させる新傾向の反歌がつくられるようになり,長歌からの独立性を強めていった。発生,成立に関しては諸説あって定説はないが,長歌の高調部が自然に口誦の段階でリフレーンされるといった自然発生的側面と,漢詩における〈反辞〉にならっての形式的整備を目ざした構成意識に拠る側面と,両面が合わさって反歌の成立がうながされたと見るのがよいようである。

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大辞林 第三版の解説

はんか【反歌】

長歌のあとに添える歌。歌体は短歌形式、まれに旋頭歌せどうか。一首ないし数首で、長歌の意を補足または要約したもの。万葉集に多く見られる。かえしうた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

反歌
はんか

長歌のあとに付された短歌。『万葉集』では、旋頭歌(せどうか)の形のものが一首だけあるが、これを除いてみな短歌であり、その前に多く「反歌」と頭書する。その名称は中国の「反辞」に倣ったものかという。この反歌の様式を、長歌の最後の段落が、歌われるなかで分離独立することによって生じたとする見方も有力であるが、そのような歌謡的生成とは認めがたい。『万葉集』の長歌を通じてみれば、反歌をもつことの確実なのは額田王(ぬかたのおおきみ)の歌(巻1、17、18歌)がもっとも早く、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)によって反歌を付す形が定着したと認められる。中国文学を媒介にして新しく生み出された様式であり、記載の次元で成立したとみるのが正しい。人麻呂は反歌を定着するとともに、長歌を反復・要約するようなありようから、独立的な内容を盛り込むものへと、その質をも大きく転換した。複数の反歌を付す形も人麻呂によって始められ、長歌と短歌との組合せによる構成体という方向へ展開された。[神野志隆光]

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世界大百科事典内の反歌の言及

【短歌】より

…ここで〈短歌〉と呼んでいるのは長歌のことであり,〈例の歌〉と呼んでいるのが5・7・5・7・7の〈短歌〉のことである。ちなみに《俊頼髄脳(としよりずいのう)》では,短歌を〈反歌〉〈例の歌〉〈例の三十一字の歌〉などと呼んでいる。こうなったのは,《古今集》巻十九の雑体部が,長歌の分類項目を〈短歌〉と誤記したためである。…

※「反歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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