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合法性 ごうほうせいlegality; Legalität

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

合法性
ごうほうせい
legality; Legalität

一般的には規範に,法学的には法規範に一致することをいう。哲学において,カントは道徳性と対比することによって合法性を定義している。道徳性が道徳法則の尊重という動機に基づく義務の履行であるのに対し,合法性は動機のいかんを問わず,ある行為が外面的に法則と一致していることだけを示している。政治学においては合法性は権力の正当性との関連で問題にされることが多い。たとえば C.シュミットは,あらゆる憲法は一定の基本的な価値 (民主主義私有財産制など) をその本質にもっており,決して価値中立的ではありえないが,形式的な合法性だけが問題にされる場合には,法に明記された手続に従って実質的に憲法の基本的価値に矛盾する法律が制定される可能性があることを指摘している。合法性がそれだけで正当性の根拠となりうるかどうかについては疑問がある。

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デジタル大辞泉の解説

ごうほう‐せい〔ガフハフ‐〕【合法性】

行為などが法規に適合していること。適法性。「合法性を問われる」

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世界大百科事典 第2版の解説

ごうほうせい【合法性】

一般に行為が法に適合していることをいい,適法性ともよばれる。下位の法規範が上位の法規範に(たとえば政令が法律に)適合している場合にもいわれる。憲法への適合性は,合憲性ないし適憲性とよばれる。法哲学においては,合法性はしばしば道徳性との対比で論じられる。カントは,道徳性は動機が義務感に発したものであるのに対し,合法性は,いかなる動機であれ,行為の結果が義務にかなっていれば足りるとした。たとえば,発覚への恐怖心や世間体などから窃盗を慎む者は,道徳的には罪人でも,合法的人間ではあるという。

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大辞林 第三版の解説

ごうほうせい【合法性】

行為などが現行法秩序、特に実定法に適合していること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

合法性
ごうほうせい

合法性には二義がある。まず、不法(または違法)の反対概念として用いられるのが一般であるが、この場合には、合法性Gesetzmigkeit(ドイツ語)とは、現行法秩序に形式的に合致することを意味するのに対して、不法とはこれに違反することをいう。この意味の合法性とは、語源的には、Gesetz=実定法規にかなっていることであるから、合法性を有しているからといって、実質的に倫理や正義に合致するとは限らない。
 これに対して、カントによる道徳性Moralittと合法性Legalittとの区別に関連して、道徳性は行為の内面的な動機が道徳律に基づく義務と一致していることを意味するのに対し、その反対概念としての合法性とは、動機のいかんを問わず行為が外面的に法秩序に合致していることをいう。法と道徳の区別に関して、法の外面性と道徳の内面性とが対比されることが広く行われているが、この考え方はここにいう道徳性と合法性の区別に根拠を置く。[名和鐵郎]

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