家庭医学館 「咽喉頭異常感症」の解説
いんこうとういじょうかんしょう【咽喉頭異常感症 Foreignbody Sensation In the Pharynx and Larynx】
咽頭(いんとう)や喉頭(こうとう)に明らかな病気がないにもかかわらず、「のどがしめつけられるようだ」「のどがつまった感じがする」「のどになにかあるような感じがする」といった、のどの違和感を訴える状態を、咽喉頭異常感症(咽喉頭神経症(いんこうとうしんけいしょう))といいます。これらの症状は、食事をしているときにはあまり感じませんが、つばを飲み込むときに強く感じます。また、なにかに熱中しているときは忘れているといった特徴があります。
[原因]
多くの場合、心理的な要因がかかわっています。たとえば家族や友人にのどのがんの人がいたり、雑誌で咽頭・喉頭の病気の記事を読んだりして気になりはじめると、のどに違和感を感じます。とくに神経質な人や心配性の人に多くみられます。
また最近は、ストレスや抑うつ傾向のある人、女性では更年期(こうねんき)におこりやすいといった傾向がみられます。
[検査と診断]
原因となる病気の有無を確かめるために、咽頭・喉頭の視診、頸部(けいぶ)の触診、内視鏡検査、食道造影、血液検査などが必要に応じて行なわれます。これらの検査で明らかな病気が見つからなければ、咽喉頭異常感症と診断されます。
[治療]
原因となる病気があれば、その治療を行ないます。
この病気の人は、医師からのどになにもないことを説明されても納得しないことが多く、いくつもの医療機関を受診することが多いようです。検査で異常がないことがはっきりしたら、あまり気にしないほうがよいでしょう。