日本大百科全書(ニッポニカ) 「哲西」の意味・わかりやすい解説
哲西
てっせい
岡山県北西部、阿哲郡(あてつぐん)にあった旧町名(哲西町(ちょう))。現在は新見市(にいみし)の南西部を占める地域。広島県に接する。旧哲西町は、1955年(昭和30)矢神(やかみ)、野馳(のち)の2村が合併して成立。2005年(平成17)大佐(おおさ)、神郷(しんごう)、哲多(てった)の3町とともに新見市に合併した。地域の中心集落は矢田。北部は中国山地、南部は吉備(きび)高原で、その間を高梁(たかはし)川上流の神代(こうじろ)川が北東流し、その谷をJR芸備線、国道182号、中国自動車道が走る。谷底の水田と和牛飼養を中心とする農村であるが、過疎化が進んでいる。広島県境の二本松峠に若山牧水の「幾山河こえさりゆかば……」の歌碑がある。標高550メートルの鯉ヶ窪(こいがくぼ)の湿原の植物群落は国指定天然記念物。
[由比浜省吾]