日本大百科全書(ニッポニカ) 「哲多」の意味・わかりやすい解説
哲多
てった
岡山県北西部、阿哲郡(あてつぐん)にあった旧町名(哲多町(ちょう))。現在は新見市(にいみし)の南部を占める地域。旧哲多町は、1955年(昭和30)本郷、萬歳(まんざい)、新砥(あらと)の3村が合併して成立。2005年(平成17)大佐(おおさ)、神郷(しんごう)、哲西(てっせい)の3町とともに新見市に合併した。地名は1900年(明治33)まであった哲多郡による。地域は吉備(きび)高原にあり、荒戸山(あらとやま)(762メートル)は高原上の残丘の一つ。ドーム状で鍋山(なべやま)ともいい、この地域のシンボルとなっている。山の南東にある、おもつぼ湿原には湿生植物が多くみられ、「すずらん園」がある。稲作中心の農村で和牛飼養、輸送園芸が行われるが、過疎化が著しい。
[由比浜省吾]
『『哲多町史』(2001・哲多町)』