神郷(読み)かみごう

日本歴史地名大系 「神郷」の解説

神郷
かみごう

南北朝期にみえる郷名。旧都留郡内に比定されるが未詳。正平二二年(一三六七)六月二五日付の二通の後村上天皇綸旨(南部文書・中舘文書)により、「甲斐国神郷半分大和守跡」が南部薩摩守信光に、「甲斐国神郷三分一大和守跡」が信光の叔父南部兵庫助信助に宛行われており、神郷に所在した某大和守の遺領が南部氏に与えられている。



かむさきごう

和名抄刊本は崎の字を用いる。東急本は「加无佐木」(カムサキ)、刊本は「加無佐木」と訓ずる。郷名は他の古代文献にみえないが、近江一宮の建部たけべ(現大津市)の神領建部庄がもと神崎郷と号していたとする元亨三年(一三二三)の官宣旨案(東京大学史料編纂所蔵長元至徳度改元勘文紙背文書)が残されており、同庄域に比定しうる(八日市市の→建部庄



かんざきごう

「和名抄」東急本には「加无佐木」と訓を付す。中世には九条家領神崎庄が成立する。現大川郡寒川町神前かんざきを遺称地とし、一帯に比定される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神郷」の意味・わかりやすい解説

神郷
しんごう

岡山県北西端、阿哲郡(あてつぐん)にあった旧町名(神郷町(ちょう))。現在は新見市(にいみし)の西部を占める地域。中国山地上にあり、広島、鳥取両県に接する。旧神郷町は、1955年(昭和30)に新郷(にいざと)、神代(こうじろ)の2村が合併して町制施行。2005年(平成17)大佐(おおさ)、哲多(てった)、哲西(てっせい)の3町とともに新見市と合併した。地域の90%以上が山林で、林業が盛ん。神代川の谷底の平地にJR芸備線が走り、備中(びっちゅう)神代駅で伯備(はくび)線と会合する。また国道182号、中国自動車道がほぼ東西に通じている。古くはたたら製鉄が行われ、また和牛の産地としても知られたが、ほかの有力産業がなく過疎化が進んでいる。神郷温泉、シャクナゲの名所三室峡などがある。

[由比浜省吾]

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百科事典マイペディア 「神郷」の意味・わかりやすい解説

神郷[町]【しんごう】

岡山県北西部,阿哲郡の旧町。大半は中国山地に属する山地で,鳥取,広島両県に接する。芸備線と伯備線が通じる。古く良質砂鉄の採取地で釜地区はたたら製鉄の中心であった。農林業を主とし,牛の飼育も盛ん。2005年3月阿哲郡大佐町,哲多町,哲西町と新見市へ編入。136.37km2。2619人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神郷」の意味・わかりやすい解説

神郷
しんごう

岡山県北西部,新見市北西部の旧町域。中国山地にあり,鳥取県,広島県に接する。 1955年神代村と新郷村の両村が合体し町制。地名は旧村名の合成。 2005年新見市,大佐町,哲多町,哲西町と合体して新見市となった。林業を主とし,和牛飼育が盛ん。かつては砂鉄を産し,江戸時代まではたたら製鉄が行なわれた。北部の野原は第2次世界大戦後の開拓地で,酪農,クリ栽培を行なう。北部は備作山地県立自然公園に属する。備中神楽は国の重要無形民俗文化財

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改訂新版 世界大百科事典 「神郷」の意味・わかりやすい解説

神郷 (しんごう)

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