商品ファンド(読み)しょうひんファンド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「商品ファンド」の意味・わかりやすい解説

商品ファンド
しょうひんファンド
commodity fund

投資家から集めた資金を商品先物取引のほか金融先物取引オプション取引などで運用する金融商品。1987年10月の世界的な株式市場の暴落(→ブラック・マンデー)の際に高利回りを維持し,日本でも急成長した。1992年4月,商品投資に係る事業の規制に関する法律(商品ファンド法)が施行され,大蔵省通産省農林水産省の共同所管となった。商品ファンド法では,元本の 50%以上を商品投資で運用しているものを商品ファンドと定義する。設定形態は,リミテッドパートナー型,匿名組合型,合同運用指定金銭信託型の 3種類。運用形態は,元本確保型と積極運用型がある。2007年9月に金融商品を横断的に規定する金融商品取引法が施行され,商品ファンドの販売業に関する規制は金融商品取引法に移り,商品ファンド法は商品投資の基本的な規定と商品投資顧問業に関する規制となった。商社ノンバンク,証券会社などが運用・販売しており,海外ではおもにヘッジファンドが積極的に商品ファンドを組成・販売する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「商品ファンド」の意味・わかりやすい解説

商品ファンド
しょうひんふぁんど

投資家から集めた資金を貴金属穀物原油など内外の商品先物や、株、為替などの金融商品に分散投資する財テク商品。「商品投資に係る事業の規制に関する法律」(商品ファンド法)が1991年に成立したのにともない、国内先物市場を利用したファンドが解禁された。商社、リース会社などの取り扱い業者にとって手数料ビジネス進出への足がかりとなる一方、投資家にとっては、株、債券が下がるインフレ時に商品相場は上昇する関係があるため、リスク分散をはかれる。98年6月に販売単位規制が撤廃されて小口での投資が可能となり、銀行業界もファンドの販売業務に続々参入している。ビッグバン到来でより身近なものとなってくるが、投資商品としての真価がこれから問われることになる。

三条 彰]

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