善法寺(読み)ぜんぽうじ

日本歴史地名大系 「善法寺」の解説

善法寺
ぜんぽうじ

[現在地名]世羅町賀茂

芦田あしだ川南山腹にあり、かつて真言宗の大寺であったと伝えるが、現在は臨済宗仏通寺派。「芸藩通志」は廃寺の項に記す。東明山と号し、本尊薬師如来

当寺の大檀那中世に活躍した賀茂かも郷内の山内氏一族で、多くの寺領を寄進している。康永二年(一三四三)一二月一一日の通綱通範連署寄進状(浄土寺文書)によれば乙丸おとまる名田五丁一段・畠二段、隅田すみだ二段小、打越うちこし仏供田三段、馬入道まにゆうどう屋敷(付畠)二段が寄進されたのをはじめ、延文四年(一三五九)一一月二日、沙弥浄通(通綱)は先亡の菩提を弔い家門の繁盛を祈願して累代相伝の地である賀茂郷地頭方仍利のり二郎丸じろうまるの田畠を永代寄進(同文書)、康安元年(一三六一)一〇月二三日にも当寺鎮守に田一反を寄進(同文書)


善法寺
ぜんぽうじ

[現在地名]北茂安町大字江口字江口

江口えぐちの集落のほぼ中央に立地。山号は玉林山、浄土真宗本願寺派。本尊は阿弥陀如来。永正一六年(一五一九)僧浄念の開基と伝える。

寺伝によれば、弓刑部少輔は橘諸兄三〇代の後胤で、豊後国由須原ゆすはら(現大分県大分郡)七〇町を領していたが、真宗に帰依して領地を去り、一族数百戸を連れて肥前国三根郡にて開教し、布教・開拓に専念した。


善法寺
ぜんぽうじ

[現在地名]月ヶ瀬村大字桃香野

八幡神社境内にある。雲景山と号し、真言宗御室派。本尊は延命地蔵菩薩。もと興福寺末寺で、延享三年(一七四六)の「官務興福寺末寺帳」によると、真言宗で、境内は東西八間、南北一二間、末寺として城庵寺・北之坊・中庵寺・西庵寺・阿弥陀寺(現桃香野)安楽寺(現奈良市)があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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