固まり(読み)カタマリ

デジタル大辞泉 「固まり」の意味・読み・例文・類語

かたまり【固まり/塊】

固まること。また、固まったもの。「土の―」「塩の―」
小さく切り刻んだりする以前の、形が不規則で、ある程度の大きさをもったもの。「肉を―のまま買う」
一団となったもの。集団。「反対派ひと―になって陣取る」
(「…のかたまり」の形で)その傾向が極端であるもの。「うその―」「欲の―のような人間」
[類語]固形固体剛体弾性体液体気体ガス溶液水溶液粘液廃液乳液原液薬液流動物流動体流体液汁汁液しるつゆリキッド

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「固まり」の意味・読み・例文・類語

かたまり【固・塊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かたまる(固)」の連用形の名詞化 )
  2. ひとまとまりの固形物。液状、粒状のものや形をなしていないものが、まとまった固形物になること。また、そうなったもの。また、全体から切り分けられた、形が不規則である程度の大きさをもつ素材。「肉のかたまり」
    1. [初出の実例]「取り結(ゆ)へる縄葛は、此の家の長の御寿(いのち)の堅(カタマリ)なり」(出典:日本書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓))
    2. 「中に黒血のかたまりがあるは」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)下)
    3. 「大理石の塊(カタマリ)のまん中に半人半獣の二人が噛合(かみあ)って居る処を刻(ほ)って見たい」(出典:号外(1906)〈国木田独歩〉)
  3. 一つ所により集まっているもの。一団。
    1. [初出の実例]「木を見れば一本、葉を見れば一かたまりづつあるよ」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)六)
    2. 「しら魚の一かたまりや汐たるみ〈子珊〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)春)
  4. ( 「…のかたまり」の形で ) ある傾向や性質だけが極端に現われているもの。多く、好ましくない傾向や性質の場合にいう。
    1. [初出の実例]「傾城はぞんざいのかたまり」(出典:浄瑠璃・津国女夫池(1721)一)
    2. 「虚飾(うそ)凝塊(カタマリ)これ世界なれば」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一五)
  5. 宗教などを深く信じること。また、そういう人。
    1. [初出の実例]「『ははあ、それぢゃあ御宗旨は法華でございますな』『仏が大のかたまりで』」(出典:歌舞伎・因幡小僧雨夜噺(1887)序幕)
    2. 「耶蘇の固信者(カタマリ)だって事でがすが」(出典:くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉四)

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