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国家と革命 こっかとかくめいGosudarstvo i Revolyutsiya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国家と革命
こっかとかくめい
Gosudarstvo i Revolyutsiya

ロシア革命の指導者レーニン1917年8~9月に執筆した著作。マルクス主義国家論とプロレタリアートの任務の解明をその中心的内容としている。第1章は国家の本質的解明を目的とし,国家の「死滅」と暴力革命の問題などを論究している。第2,第3,第4章は 1848~51年の革命,およびパリ・コミューンの経験を経るなかで発展したマルクスエンゲルスの国家論の総括がなされている。第5章では国家死滅の経済的基礎の解明を中心とし,第6章ではさまざまなマルクス主義国家論の解釈を批判している。第7章は「1905年と 1917年のロシアの経験」としてプランが立っていたが,十月革命が迫り執筆されなかった。

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世界大百科事典 第2版の解説

こっかとかくめい【国家と革命 Gosudarstvo i revolyutsiya】

レーニンの代表作で,広く読まれたマルクス主義の古典。第1次世界大戦中にとりはじめた国家論ノートに基づいて,十月革命前夜の1917年8~9月潜行先で書き上げた。革命後部分的に新聞に発表されたが,単行本で出たのは1918年である。〈国家に関するマルクス主義学説と革命におけるプロレタリアートの任務〉という副題をもつ本書は,国家が〈階級対立の非和解性〉から生まれた〈特殊な公的暴力〉であり,階級抑圧の道具であると述べ,その廃絶がプロレタリアートの任務であるとした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国家と革命
こっかとかくめい
Государство и революция Gosudarstvo i revolyutsiya 

レーニン著。マルクス主義国家論の古典的著作。ロシア革命のさなか、1917年8月から9月にかけて執筆された。第7章は未完。マルクス、エンゲルスの国家論を詳細に検討し、発展させたもの。祖国擁護を口実にして自国の戦争遂行を是認するカウツキープレハーノフらを批判するために執筆された。レーニンは、国家とは階級対立とともに発生した支配階級の被支配階級抑圧のための機関にほかならないこと、社会主義の実現のためには、ブルジョア階級の国家を暴力的に粉砕し、プロレタリアートの階級的独裁を樹立しなければならないこと、社会主義の国家形態はコミューン型国家であり、そのもとで民主主義はいっそう発展し、官僚制も克服され、民族的対立もなくなること、共産主義への移行とともに、国家はひとりでに死滅するであろうことを主張。この著作の準備ノートとして『国家論ノート』がある。[杉浦秀一]
『レーニン全集刊行委員会訳『国家と革命』(大月書店・国民文庫) ▽宇高基輔訳『国家と革命』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内の国家と革命の言及

【共産主義】より

レーニンは後に,このマルクスのいう第1段階を社会主義と呼び,第2段階を共産主義と呼んだ。 レーニンは,第1次大戦の勃発とともに第二インターナショナルが思想的に破産したと判断し,マルクス主義の共産主義的部分を復活させることを意図して《国家と革命》(1917)を書いた。そして,コミューン型の国家をモデルにロシアのソビエトを基盤とした革命政権を樹立した(十月革命)。…

【民主主義】より


[二つの民主主義]
 20世紀における民主主義のもう一つの問題は,ロシアのボリシェビキ革命(1917)をきっかけとして,相互におよそ異質な二つの民主主義概念が生まれてきたことである。この革命の指導者レーニンは,革命前夜に書いた《国家と革命》(1917)の中で,とくにドイツ社会民主党を念頭におきながら,普通選挙権要求を〈小ブルジョア的民主主義〉〈日和見主義〉として非難し,ボリシェビキ革命とその後にくるべき国家こそ〈もっとも完全な民主主義〉であると宣言した。レーニンは,この完全な民主主義も,それが国家であるかぎりいずれは〈死滅〉するであろうと予言したが,その後の歴史で実現したのは国家の死滅ではなくて,ソビエト社会主義における共産党一党支配の永続化であった。…

※「国家と革命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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