日本の環境研究の中核となる、環境省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。英語名はNational Institute for Environmental Studies、略称はNIES。「国立研究開発法人国立環境研究所法」(平成11年法律第216号)を根拠法とする。所在地は茨城県つくば市小野川(おのがわ)。1974年(昭和49)に国立公害研究所として発足。1990年(平成2)に改組して環境庁国立環境研究所となり、2001年(平成13)4月に環境省所管の独立行政法人となった。2015年4月、国立研究開発法人に移行。
地球環境の保全、公害の防止、自然環境の保護など、環境の保全に関する調査・研究を行い、またそれらに関する知識の普及を図ることなどを目的とする。基礎研究とともに、重点的課題に取り組む課題対応型の研究も行う。研究の柱は7分野あり、それらを担う七つの研究実施組織が設置されている。(1)地球環境研究センター。地球環境の現状把握と変動要因の解明に努め、地球環境保全の対策を調査・研究する。(2)資源循環・廃棄物研究センター。資源の循環的利用、廃棄物・排水の処理などを調査・研究する。(3)環境リスク・健康研究センター。化学物質などの環境リスクを調べ、有害性のメカニズムなどを調査・研究する。また、人の健康および生態系に与えるリスク低減のための研究を行う。(4)地域環境研究センター。大気や水などにかかわる地域環境問題を、国境を越えた広い範囲から都市レベルに至るまで、さまざまなスケールで調査・研究する。(5)生物・生態系環境研究センター。人間活動によって生物多様性、生態系が受ける影響を調査・研究する。(6)社会環境システム研究センター。社会経済活動と環境問題とのかかわりを調べ、環境と経済の調和した社会を実現するための調査・研究を行う。(7)環境計測研究センター。環境問題を研究するうえで必要な計測技術の開発、環境試料の保存などを行う。
[編集部 2017年11月17日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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