略称をISO(イソまたはアイエスオーと読む)といい,国際規格を制定・普及するための機関であるが,非政府機関である。この機関の前身は,1926年に創設された万国規格統一協会(ISA)である。ISAは,42年に第2次大戦のためその機能を停止するまで21ヵ国が参加して活発に活動していた。この機関に対し,日本からは1929年に工業品規格統一調査会(当時の国家規格である日本標準規格を審議していた政府諮問機関)が参加した。大戦中は国際連合規格調整委員会(UNSCC)が活動していたが,46年10月のロンドン会議で,ISAとUNSCCとを統合して新しい機関を設けることが決まった。そして,翌47年2月にISOが正式に発足した。
ISOには各国を代表する唯一の国家規格機関が正会員として加入する。日本からは日本工業標準調査会(JISC。日本工業規格を審議している政府諮問機関)が52年秋から加入している。ISOでは,正会員のほかに,まだ国家規格機関が確立していない国のために通信会員の制度を設けている。84年1月現在で,正会員74,通信会員15である。ISOの主要事業は,ISO規格(電気・電子の分野を除く)の制定・発行,標準化および認証制度に関する研究と出版物の発行,ISO情報網(ISONET)の整備,標準化に関する開発途上国への支援である。ISO規格の案を作成する技術的業務は,専門委員会および分科委員会が中心となって行っているが,これらの委員会の審議にかける原案は作業グループで立案されるのが普通である。専門委員会,分科委員会に参加する場合,Pメンバー(会議で議決権をもつ)とOメンバー(オブザーバーで,会議での議決権をもたない)の区別があり,Pメンバーの中から幹事国が選ばれる。ISO規格案(DIS)は正会員全員に回付され,投票の75%以上が賛成である場合は,理事会で正式にISO規格として決定する。ISO規格の数は,84年1月の時点で約5300に達している。
ISOの姉妹機関として,1906年創立の国際電気標準会議International Electrotechnical Commission(IEC)がある。ISOの発足とともに,IECは電気・電子の分野を,その他の分野はISOで取り上げることとし,両者が一体となって国際標準化の全体制を築くという合意が成立している。IECに対し,日本からは古くは電気学会が参加していたが,53年10月からISOの場合と同様に,日本工業標準調査会が加入している。
執筆者:東 秀彦
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略称ISO。略称を「イソ」ともよむ。万国規格統一協会、国際連合規格調整委員会を前身とし、1947年発足。本部はジュネーブ。各国の標準化国内団体相互の協力を図る私法上の非政府組織で、(1)工業・農業産品の国内規格の調整と統一、(2)標準化活動についての情報交換と協力を任務とする。専門委員会の議決に基づきISO規格、ISO推薦規格が設定される。日本からは1952年(昭和27)に日本工業標準調査会(JISC)が加入した。また、1976年に結ばれた協定により電気工学、電子工学分野に関する標準化は国際電気標準会議(IEC)が行っている。
[山本草二]
略称ISO.国際的な共通規格の制定を目的として設立された非政府間機構で,全世界の標準となる工業規格や品質管理規格などを制定している.1947年に設立され,本部はジュネーブにおかれている.日本は1952年に加入し,現在,全世界で140か国以上が加入している.品質管理システム(ISO9000シリーズ),環境管理システム(ISO14000シリーズ)などを制定している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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