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元屋敷陶器窯跡 もとやしきとうきようせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

元屋敷陶器窯跡
もとやしきとうきようせき

岐阜県土岐市泉町久尻にある織部焼最古の陶器窯跡。慶長年間 (1596~1615) の初め,加藤筑後守景延が唐津窯を導入して,美濃に初めて築いた横狭間式の連房式登り窯で,14房の焼成室から成り,全長 25mある。製品は志野,織部黒,黄瀬戸,銅緑釉,灰釉,鉄釉,御深井釉を用い,植物文,動物文,幾何学文などを駆使した碗,皿,盤,鉢,瓶,向う付けなどの高級食器類を中心に,天目茶碗,黒織部茶碗,茶入れ,美濃伊賀水指,花生,香合などの茶陶類を焼いており,桃山時代後期の日本を代表する陶器窯跡。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

国指定史跡ガイドの解説

もとやしきとうきかまあと【元屋敷陶器窯跡】


岐阜県土岐(とき)市泉町にある窯跡。土岐市街地の北方、泉町久尻(くじり)の谷川に面した急斜面に位置する古窯で、美濃における安土桃山時代末期~江戸時代初期の窯跡として著名なことから、1967年(昭和42)に国の史跡に指定された。窯跡は1958年(昭和33)に発掘された連房式登り窯と大窯からなり、登り窯は燃焼室に続いて奥行きの短い矩形(くけい)の焼成室が階段状に14房連続し、全長は24mを超えて幅は2.2mである。各焼成室の間は障壁と6~7個の引き孔が設けられ、焼成室の入り口は左右さまざまで一定していない。現在、天井部は崩落している。大窯の元屋敷東1号窯は16世紀後半に最初に築かれ、幅約4mで、天目(てんもく)茶碗や灰釉(かいゆう)皿、すり鉢などが生産され、現在は当時の姿に復元されている。元屋敷東2号窯は全長7.5m、幅3.9mで東1号窯の次に築かれ、新しい意匠の瀬戸黒(せとぐろ)、黄瀬戸(きせと)、灰志野(はいしの)などが登場した。元屋敷東3号窯は残存長が5.8m、幅2.9mで、志野の量産を行っており、沓(くつ)茶碗と呼ばれるゆがみなどの変化をつけた茶碗を作っていた。生産された志野にはのちの織部(おりべ)に共通する意匠が見られ、窯は発掘調査された姿を型取りして露出展示している。周辺は織部の里公園になっており、園内には出土した遺物の展示室がある。JR中央本線土岐市駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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