地道(読み)ジミチ

デジタル大辞泉 「地道」の意味・読み・例文・類語

じ‐みち〔ヂ‐〕【地道】

[名・形動]
手堅く着実に物事をすること。地味でまじめなこと。また、そのさま。「地道努力をする」「地道に働く」
普通の速さで歩くこと。また、馬を普通の速さで進ませること。なみ足。→早道はやみち
「―に歩む馬に乗り」〈浮・栄花一代男〉
[派生]じみちさ[名]
[類語]堅実着実堅気着着こつこつ・一歩一歩・まずたゆまず

ち‐どう〔‐ダウ〕【地道】

[名]
大地にもともと備わっている性質法則。⇔天道
地下道トンネル
[形動ナリ]じみち(地道)」に同じ。
「人は―なるこそよけれ」〈浮・伝来記・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地道」の意味・読み・例文・類語

じ‐みち ヂ‥【地道】

〘名〙
① (形動) 静かに歩くこと。ふつうの速度で歩くこと。特に、馬術で、馬をふつうの速度で進ませること。また、そのさま。緩歩。なみ足。褻道(けみち)。地乗り。⇔早道(はやみち)
※弓張記(1450‐1500頃か)「ちみちと、今人のよくいふ言葉也。けみちといふべし」
※俳諧・広原海(1703)八「落延てからは地道の膝栗毛
② (形動) 手堅く着実なこと。かけひきなく堅実なこと。じみでまじめなこと。また、そのさま。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)三「地道(ヂミチ)奉公に出さんとすれば針手が利かず」
歌舞伎幼稚子敵討(1753)五「知らぬ呉服商売より、やっぱり知った盗するが地道じゃわい」
③ 地下につくった道。地下道。ちどう。
※軍法極秘伝書(1579頃か)五(古事類苑・兵事一四)「地道(ヂミチ)の事」

ち‐どう ‥ダウ【地道】

〘名〙
① 大地にそなわる性質、または法則。
※童子問(1707)上「故其暁道受教。不啻若地道之敏」 〔易経‐繋辞下〕
② 地下に設けた道路。地下道。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一一「茲に歳ありて都て風情を穿つや地道(チダウ)の如く、流行に疾こと伝信機の音便を待たず」 〔後漢書‐袁紹伝〕
③ (形動) (馬を並み足で進ませる意の馬術用語から) 手堅く着実なこと。また、そのさま。じみち。
※浮世草子・武道伝来記(1687)八「人は地道(チダウ)なるこそよけれ」
④ 地球が運行する道。地球の軌道
明六雑誌‐一三号(1874)想像論〈津田真道〉「地道の橢円を知り新行星を発明する等」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の地道の言及

【城攻め】より

…城壁の高さは5~8mであったから,まず距闉(きよいん)と呼ぶ,城壁より高い土山を作り,城内を俯瞰(ふかん)し,攻撃の指揮をすると同時に,火矢や弩(ど)石をここから発射もする。一方,地道と呼ぶトンネルを掘って城内に通じさせたり,付近の河川をひいて水攻めにするのも常套手段である。攻城法がかなり進んだ宋代,《武経総要》にのせる地道は次のようにして掘られた。…

※「地道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android