( ③について ) 「蜻蛉‐下」には「立てたる所はべなる。槽(ふね)は、今日明日のほどに、らちふすべき所ほしげになん」とある。が、この部分を「うちふす」と考える説もあり、確例とはみなしがたい。従って、③の意味の派生は、「らち(埒)が明く」「らち(埒)を越える」の挙例「日葡辞書」などにより、中世後期ごろとも考えられる。近世には促音を挿入して強調したラッチという形も生まれた。

(らつ)。〔説文〕十三下に「
(ひく)き垣なり」とあり、ませがきの類をいう。また馬場の柵をもいい、入場が許されることを「埒が開(あ)く」という。上賀茂神社の神事として行われる競馬(くらべうま)の行事から出た語である。
声として
・埒・
・
など八字を収める。
四下には「五指もて持つなり」とあり、
声の字に、その義を承けるものが多い。
埒・界埒・形埒・
埒・場埒・水埒・壇埒・等埒・馬埒・不埒・放埒出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…江戸では城内の吹上御庭に,城下にも神田,馬喰町,木挽町,溜池,十番,高田,小日向,小石川,浅草,本所などにあったことが知られる。これらの馬場は土塁および垣(埒(らち)という)で囲われ,長さが100間ほどあるのに幅は10間ほどという細長い形が多いが,これは馬を一直線に走らせて弓矢を射る流鏑馬,笠懸のような競技が多かったためである。〈初音の馬場〉と呼ばれた馬喰町馬場は,関ヶ原の戦の馬揃を行ったという伝えのある古くからの馬場で,明暦大火(1657)後に縮小された。…
※「埒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...