不埒(読み)フラチ

デジタル大辞泉 「不埒」の意味・読み・例文・類語

ふ‐らち【不×埒】

[名・形動]
道理にはずれていて、けしからぬこと。また、そのさま。ふとどき。「不埒極まる振る舞い」「不埒なやつ」
要領を得ないこと。埒のあかないこと。また、そのさま。
「後は二人ながら涙をこぼし―なりしに」〈浮・五人女・四〉
[類語]不始末不届き罪作り邪道とんでもない途方もないとてつもないとっぴょうしもないとんだもってのほか法外大それた論外けしからん不逞ふてい言語道断不心得沙汰の限り沙汰のほか非道無道不当不所存あるまじきあろうことか一筋縄ではいかない目に余る横道身の程知らず不届き至極話にならない滅相も無い気が知れない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不埒」の意味・読み・例文・類語

ふ‐らち【不埒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「埒」は馬場などの囲いの意 )
  2. 埒のあかないこと。事が解決しないこと。決着のつかないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「後はふたりながら涙をこぼし不埒(フラチ)なりしに」(出典浮世草子好色五人女(1686)四)
  3. 法にはずれていること。けしからぬこと。また、そのさま。ふつごう。ふとどき。不法。
    1. [初出の実例]「きのふも三人出かはる小もの 不埒なる酒のかよひの朝がすみ〈由平〉」(出典:俳諧・大坂独吟集(1675)下)
  4. ふつつか(不束)
    1. [初出の実例]「是者御叱り、急度御叱り、手鎖・過料等に可成と見込之分は不束或は不埒と認」(出典:聞訟秘鑑(古事類苑・法律三一))

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