所得税,住民税,相続税,贈与税,料理飲食等消費税(料飲税)に設けられている制度で,税額の計算上,一定の金額を課税標準から控除することを指す。イギリスでも日本でも所得税を創設したときは,基礎控除ではなく免税点制度であった。免税点制度は基礎控除と似ているが,課税標準が免税点以下であれば課税はされず,超えるときは課税標準の全額に対して課税される。その結果,税率いかんによっては,免税点の上下にある納税者のあいだで著しい税負担の相違が生ずる。ところが基礎控除にすれば,一定の金額を課税の対象から除外する制度であるから,いわば増分に対してのみ課税されるため大きな相違は生じない。基礎控除制度ならば,課税標準が大きくなるにつれて税負担は増加するが,その増加率は免税点制度に比べると急激ではない。そのため所得税創設当時は免税点制度を採用していた国々も,近年になって控除制度を採るようになった。日本で所得税に基礎控除を採り入れたのは1940年とされている。基礎控除は,公平の観点から最低生活の保障を意図しているが,同時に少額所得への課税は徴税費が高まるのみか,租税への抵抗が大きくマイナスである,という点も考慮されて設けられている。
→所得税
執筆者:古田 精司
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(浦野広明 立正大学教授・税理士 / 2007年)
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…所得税,住民税において,ある一定の所得金額を超えれば課税される限界を指す。所得税の課税最低限は,基礎控除,配偶者控除,扶養控除の3控除で一定金額が画されている。しかし一般には,給与所得者については給与所得控除と社会保険料控除がプラスされ,また事業所得者については専従者控除と社会保険料控除がプラスされ,それぞれの課税最低限とされている。…
…このような所得控除を設けている理由は大別して三つある。(1)最低生活費には免税という理由であり,基礎控除はその典型といえる。先の第1段階で設けられている給与所得控除,退職所得控除,そして山林・譲渡・一時所得の特別控除も少額所得非課税という意味でここに入る。…
※「基礎控除」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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