堀口捨己（読み）ホリグチ ステミ

20世紀日本人名事典

堀口 捨己
ホリグチ ステミ

大正・昭和期の建築家,建築史家

生年

明治28(1895)年1月6日

没年

昭和59(1984)年8月18日

出生地

岐阜県

学歴〔年〕

東京帝大建築科〔大正9年〕卒

学位〔年〕

工学博士

主な受賞名〔年〕

北村透谷文学賞(第5回)〔昭和16年〕「利休の茶室」,日本建築学会賞〔昭和26年〕,毎日出版文化賞〔昭和28年〕「桂離宮」,日本芸術院賞〔昭和32年〕,紫綬褒章〔昭和38年〕,勲三等瑞宝章〔昭和41年〕,日本建築学会大賞〔昭和44年〕

経歴

大正9年ヨーロッパの近代建築運動に触発された同期生と共に建築運動組織「分離派建築会」を発足させる。12年ヨーロッパに留学、翌13年帰国後は日本の伝統建築の研究に取り組む。昭和7年帝国美校教授、21年東京大学講師、24年明治大学教授、27年工学部長、40〜45年神奈川大学教授を歴任。文化財保護専門委員も務めた。遺言により、没後11年目の平成7年1月になって死去したことが公表された。代表作に「紫烟荘」「大島の測候所」「〓居」「八勝館・中店」。著書に「利休の茶室」「庭と空間構成の伝統」「堀口捨己博士著作集」(全7巻)などがある。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

日本大百科全書(ニッポニカ)

堀口捨己
ほりぐちすてみ
（1895―1984）

建築家。岐阜県生まれ。1920年（大正9）東京帝国大学工学部建築学科卒業。同年、同期の山田守(まもる)らと分離派建築会を設立。卒業後大学院で近代建築史を専攻。1923～1924年ヨーロッパを旅行。帰国後、清水組を経て1927年（昭和2）に独立し設計活動に入る。おもな作品に大島測候所（1938）、若狭(わかさ)邸（1939）。第二次世界大戦後は、明治大学校舎群のほか、名古屋八勝館（1950、重要文化財）など。伝統建築の近代化に優れた力量を発揮した。また、茶室、数寄屋(すきや)の研究者としても著名。帝国美術学校、明治大学、神奈川大学の教授を歴任、日本庭園協会理事なども務めた。著書に北村透谷(とうこく)文学賞を受賞した『利休(りきゅう)の茶室』（1949）、『桂(かつら)離宮』（1952）など。歌人としても知られる。

［天田起雄］

『『堀口捨己著作集』七巻・別巻一（1978～1980・鹿島出版会）』▽『SD編集部編『堀口捨己』（1983・鹿島出版会）』

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

改訂新版　世界大百科事典

堀口捨己 (ほりぐちすてみ)
生没年：1895-1984（明治28-昭和59）

建築家，建築史学者。岐阜県に生まれる。1920年東京帝国大学建築学科を卒業。同年より分離派建築会の中心として欧州近代建築の日本への定着に努力し，みずからはしだいに日本の伝統に根ざした近代建築の模索へと向かった。戦前より戦中にかけては茶室，日本住宅史の研究に沈潜し，それらの持つ合理性と建築芸術上の特質を初めて解明して，建築史研究に新たな方向を拓いた。49年明治大学教授。作品に大島測候所（1938），若狭邸（1939），一連の明治大学施設の建築など。
執筆者：丸山 茂

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

堀口捨己【ほりぐちすてみ】

建築家，建築史家。岐阜県生れ。1920年東大卒。同年ゼツェッシオンの名にちなんだ分離派建築会の創立に参加した。機能主義を指向しつつ日本建築の伝統も生かし，個人住宅を多数設計。茶室建築の権威としても知られた。《利休の茶室》《住宅と庭園》《桂離宮》など著書も多い。

出典　株式会社平凡社

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

堀口捨己 ほりぐち-すてみ

1895－1984　大正-昭和時代の建築家,建築史家。
明治28年1月6日生まれ。大正9年分離派建築会結成に参加,近代建築運動をおこす。日本の伝統と近代建築の調和を模索し,茶室,数寄屋(すきや),庭園を研究。東京美術学校(現東京芸大),明大などの教授を歴任。昭和32年芸術院賞。おもな作品に「八勝館・御幸の間」など。昭和59年8月18日死去。89歳。岐阜県出身。東京帝大卒。著作に「利休の茶室」など。

出典　講談社

367日誕生日大事典

堀口 捨己 (ほりぐち すてみ)

生年月日:1895年1月6日
大正時代;昭和時代の建築家;建築史家。明治大学教授;神奈川大学教授
1984年没

出典　日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」