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増感 ぞうかんsensitization

翻訳|sensitization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

増感
ぞうかん
sensitization

(1) 写真感光材料感光性を高める処理。大別して,光量が小さくても感光するようにする化学増感 (増感現像) と,感光材料に固有の波長域よりも長波長の光にも感光するようにする分光増感 (色増感,光学増感ともいう) とがある。分光増感の効果をより高めることを超色増感 (強増感,強化増感ともいう) という。化学増感には,感光乳剤に還元性物質や還元性ゼラチンを添加する還元増感,硫黄化合物やそれを含むゼラチンを添加する硫黄増感,金塩,白金塩を添加する金属増感があり,分光増感の場合は感光色素が添加される。なお,露光前に,すでに乳剤を塗布されているフィルムを還元性溶液で処理して感度を数倍高める超増感という方法もある。 (2) 光化学反応で,反応物質に添加された物質がまず光を吸収して,励起され,その励起エネルギーが反応を促進することをいう。

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百科事典マイペディアの解説

増感【ぞうかん】

写真感光材料の感光度を増加させる処理。ある特定の波長の光に対する感光度を上げる分光増感と,ハロゲン化銀の固有感光を増大させる化学増感とに分けられる。後者について,ハロゲン化銀写真感光材料では,写真乳剤中に還元性物質や還元性ゼラチンを添加する還元増感,硫黄化合物やそれを含むゼラチンを添加する硫黄増感,金塩を添加する金増感があり,いずれもハロゲン化銀粒子表面に微小な増感性物質が生成し,飛躍的に感光度が増加する。ほかに完成した写真感光材料を露光直前または直後に短時間全面露光したり,真空下で水素ガスにさらすなどして感度を数倍高める超増感がある。
→関連項目写真乳剤赤外線写真

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カメラマン写真用語辞典の解説

増感

 フィルムの公称感度よりも高い感度に設定して撮影し、現像時に設定感度になるように現像時間を延長すること。モノクロおよびカラーリバーサルフィルムではよく使われる手法である。とくにスポーツ写真などでは増感が一般的である。ただし、増感の度合いが高すぎると粒子が荒れたり、色再現が悪くなる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぞうかん【増感 sensitization】

写真感光材料の感度を上昇させる方法。写真法が初めて公表された1839年当時使われた感光材料は,銀の板にヨウ素蒸気を当てて作ったもの(銀板と呼ばれる)で,感光物質にはヨウ化銀が用いられた。これはダゲレオタイプ,または銀板写真と呼ばれるが,当時の写真撮影には露出時間が何十分も必要で動体被写体の撮影は困難であった。ちなみに,銀板の感度は現在のISO感度で表すと0.01程度と推定される。写真感光材料の感度は図に示すように年代とともに高くなっているが,これは技術的には現像法の発明,臭化銀ゼラチン乳剤の発明,分光増感技術,化学増感技術,乳剤技術の進歩に負っている。

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大辞林 第三版の解説

ぞうかん【増感】

〘化〙 一般に、光化学反応で、反応物質とは別の物質の存在によって、光化学反応が促進される現象。
弱い照明でも撮影できるように、フィルムに事前に微弱な光を与えて感度を上昇させる処理。また、露出不足のフィルムの現像の際、薬品によって画像の濃度を上げる処理。 ⇔ 減感

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世界大百科事典内の増感の言及

【アレルギー】より

…たとえば,ペニシリンの注射を受けているうちに,この薬剤に対して過敏となり,ペニシリンの注射によってショック死を起こすような場合(ペニシリンショック)や,魚や卵を食べると蕁麻疹(じんましん)が起こるような場合がこれに一致する。また,こうした外来の物質に対して過敏な状態にすることを感作sensitizationという。現在は〈抗原抗体反応が生体に及ぼす影響のうち病的過程を示すもの〉を総括した言葉であると考えればよく,同様に免疫はいちおう〈抗原抗体反応が生体に及ぼす影響のうち有利に作用するもの〉と考えるのが普通である。…

【減感作療法】より

…回避できないアレルゲンによってひき起こされるアレルギー性疾患に対する特殊な治療法。抗原物質に対して過敏な状態にすることを〈感作sensitization〉といい,その過敏性を除去する処置を〈減感作〉(かつては除感作,脱感作といった)という。減感作療法はこの方法を用いたものである。アレルギー性疾患の治療の原則は,病気の原因となっているアレルゲンを回避することである。しかし室内塵や花粉などのように,どうしても回避できないアレルゲンもあり,これらに対して用いられる。…

※「増感」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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