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壁新聞 かべしんぶん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

壁新聞
かべしんぶん

壁の掲示板などに掲示して公衆に読ませる新聞労働組合などでよく用いられる。 1964年からの中国文化大革命のなかで用いられた『大字報』も新聞の一種である。

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デジタル大辞泉の解説

かべ‐しんぶん【壁新聞】

種々の主張ニュース・漫画・写真などを編集して、壁面や掲示板に貼り出す、一種の新聞。手書きのものが多い。→大字報

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世界大百科事典 第2版の解説

かべしんぶん【壁新聞】

建物の壁などを利用して,通行人にニュースや意見を知らせる表示物。経費をかけずに多人数に訴えることができるので,政治や商業の広報,宣伝の手段として用いられることが多い。ジャーナリズムの語源となったローマ時代の《アクタ・ディウルナacta diurna》が,皇帝の命による重要ニュースを広場に掲示したものであったように,民衆への公示伝達として街頭標示を使うという考えは古くから行われていた。これに新しい意義を与えたのは,大衆行動をささえとする現代の政治思想である。

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大辞林 第三版の解説

かべしんぶん【壁新聞】

主張やニュースなどを記し、職場・教室・街頭などの壁や掲示板に張り出す、一種の新聞。多くは手書き。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

壁新聞
かべしんぶん

企業や学校など職場や公共施設の廊下、外壁、あるいは人通りの多い街頭など人目に触れやすい場所に、ニュースや意見を書いて張り出し、民衆に情報を伝える原初的な新聞の一形態。
 壁新聞は製作が容易で費用もかからず、しかも多数の人々に情報を伝達する効果があるので、古くから広く利用されてきた。単なるビラやポスターなどによる情報伝達は古代からみられたが、いわゆる「第四権力」としての近代マス・メディアを自由には利用できない民衆が、民衆自身の情報伝達手段として壁新聞を活用したのは、1870年代のパリ・コミューン時代にさかのぼるといわれる。それ以来、マス・メディアに対抗する民衆のカウンター・メディアとしての壁新聞の伝統は、現代に至るまで脈々と続いている。現在、日本では労働組合運動や学生運動で壁新聞が活用されているし、小・中学校などで、児童・生徒の手で壁新聞をつくっているところもある。
 ソ連や中国など社会主義国では、工場や集団農場などで、労働者や農民が自主的に壁新聞をつくることが奨励されたが、ソ連の壁新聞は、やがてソビエト連邦全体の機関紙体制の末端の位置に組み込まれるようになった。これに対し中国の壁新聞は、長征後の1930年代後半から活発になり、解放後も自由な言論・表現の伝統が持続された。紙と筆と墨、絵の具によって創出される素朴な壁新聞の隆盛は、中国のマス・メディアの後進性を示すものというよりは、中国の社会主義体制の特質を示すものとみられ、ときとして新聞、出版、放送などよりも有効かつ強力に機能している。ことに第二次整風運動期間の1957年以来、それまで「壁報」とよばれた中国の壁新聞は、「大字報(だいじほう)」といわれるようになり、66年以来の文化大革命では、さらに小型の「小字報(しょうじほう)」も出現した。1976年10月のいわゆる「四人組」失脚後の自由化要求など、壁新聞は大いにその機能を発揮したが、その後指導部批判の壁新聞も出るようになるにつれ、80年2月以降、指導部は壁新聞による批判を禁止するようになった。日本の職場レベルの労働運動にも活用された。[高須正郎・伊藤高史]

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世界大百科事典内の壁新聞の言及

【大字報】より

…中国で壁新聞をいう。その起源は抗日戦争のころにさかのぼるが,新中国成立後,1957年の反右派闘争で批判と自己批判を記して公開する手段として使用されるようになった。…

【中華人民共和国】より

… 思想解放の空気のなかで,79年末から80年初頭にかけて,〈民主〉と〈人権〉を要求する若者の運動が起こったが,これに対して鄧小平は,社会主義の道,プロレタリア独裁,党の指導,毛沢東思想の〈四つの基本原則〉を堅持する方向を示し,〈民主〉と〈人権〉の要求を〈党の指導に反対し,社会主義に反対するもの〉として弾圧した。さらに,50年代なかば以降定着して,毛沢東の中国の特色の一つとみられていた壁新聞などで大衆が自由に意見をのべる権利,すなわち〈大鳴,大放,大字報,大弁論〉の〈四大〉の権利,これを規定した条項を〈安定団結〉を妨げるものとして憲法から削除した(1980)。 こうして,毛沢東時代からの脱却の方向を明らかにしていった鄧小平指導下の中共は,81年6月,〈建国以来の党の若干の歴史的問題に関する決議〉を採択し,過去の経験を総括したが,文革については前述のようにこれを全面的に否定した。…

※「壁新聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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