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変形体 へんけいたいplasmodium

翻訳|plasmodium

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

変形体
へんけいたい
plasmodium

変形菌類 (粘菌) の生活史上の一形態。外見は粘液状の多核細胞体で,細胞膜を有することなく全体が原形質の塊。アメーバ細胞に似た生活をして,全体が移動する。内部には特異な原形質流動がみられ,生理学上のよい研究材料とされている。変形体は,胞子を生じる子実体に変化し,また環境によっては菌核に似た休眠状態に入りやすい。

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デジタル大辞泉の解説

へんけい‐たい【変形体】

変形菌の栄養体。粘液アメーバが多数接合して、細胞壁のない原形質の塊となったもの。アメーバ運動を行い、形を変えながら移動する。

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世界大百科事典 第2版の解説

へんけいたい【変形体 plasmodium】

変形菌類の栄養体で,多数の核をもった裸の原形質。細胞壁をもたず,粘質,不定形で,アメーバ運動によって移動や摂食を行う。原形質は著しく流動し,核分裂は同調的に進行する。色彩は白色,灰白色,黄色,褐色,赤色などさまざまで,大きさも顕微鏡的なものから1m2に達する巨大なものまである。腐朽した木材や落葉の上などをはい,栄養物を摂取しながら増大し,成熟すると子実体を形成する。また,不適当な環境下では硬直して休眠状態となるが,環境がよくなればふたたび粘質の変形体にもどる。

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大辞林 第三版の解説

へんけいたい【変形体】

変形菌の生活体。細胞壁のない大きな原形質塊で、アメーバ運動や著しい原形質流動を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

変形体
へんけいたい

変形菌類の多核を含む栄養体をいう。細胞壁がなくてアメーバ運動を行い、有機物を吸収したり、有機物粒子や細菌を捕食する。成長に伴って核分裂を行うため、核数が増す。ツノホコリカビ類と真正変形菌類の各種変形体の核は複相である。変形体には3型があるが、顕微鏡的な微小変形体(原生変形体、寄生または腐生)および平らで透明な陰生変形体(腐生)は、基物に潜って生活するため、自然ではめったにみられないものである。これらの腐生変形体は子実体形成直前になって基物表面に現れる。三つ目はモジホコリカビ仲間などの顕生変形体であるが、これは厚い寒天質で、顆粒(かりゅう)状である。子実体形成直前のものでは、数千の核を含む場合もある。変形体は2部からなり、液状部がゼラチン部を通して前後に流動するのに伴って、先端は突出したり、分岐して部分的に癒合して網目をつくり、1平方メートルに広がることもある。環境が悪いと密集して角質の菌核になって休眠し、環境がよくなると変形体を生ずる。変形体からはいろいろの子実体が形成される。[寺川博典]

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世界大百科事典内の変形体の言及

【菌類】より

…これらの器官の形質をもとに次の分類体系ができている。(1)変形菌門 粘菌類ともいわれ,体構造はアメーバ状,偽変形体pseudoplasmodiumあるいは変形体plasmodiumをつくる。(2)真菌門(真菌類) 体構造は菌糸状,単細胞のこともある。…

【菌類】より

…これらの器官の形質をもとに次の分類体系ができている。(1)変形菌門 粘菌類ともいわれ,体構造はアメーバ状,偽変形体pseudoplasmodiumあるいは変形体plasmodiumをつくる。(2)真菌門(真菌類) 体構造は菌糸状,単細胞のこともある。…

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