外延(読み)ガイエン(その他表記)extension; denotation

デジタル大辞泉 「外延」の意味・読み・例文・類語

がい‐えん〔グワイ‐〕【外延】

論理学で、概念が適用される事物集合。例えば、惑星という概念の外延は水星金星地球・火星・木星土星など。⇔内包

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精選版 日本国語大辞典 「外延」の意味・読み・例文・類語

がい‐えんグヮイ‥【外延】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] extension の訳語 )
  2. 概念が適用される事物の全体の、もとの概念に対する称。たとえば、金属という概念の場合、金、銀、銅、鉄などが、これに当たる。⇔内包
    1. [初出の実例]「之を言はの外延〔 extension 〕と名け」(出典:致知啓蒙(1874)〈西周〉上)
  3. 条件を満たすものの全体から成る集合の、もとの条件に対する称。

外延の語誌

挙例「致知啓蒙」に見えるように、西周が extension の訳語として造ったもの。当初「外衍」という訳語も見られた(「教育・心理・論理術語詳解」)が、「外延」が定着した。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「外延」の解説

外延

一つの概念が適用される事物の範囲.言葉を換えれば,一つの概念の示す本質的性質を具有する表象群をいう.概念の内包が本質的属性総和であるのに対して,外延は,その概念の適応することのできる範囲となる.両者間には相関関係があって,反対方向に増減する.内包が増加すれば,適応の範囲は少なくなり,外延は減少する.階層分類では,一般的なものから特定のものへと区分が進行するにつれて,概念の外延が縮小し,内包が増大する.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外延」の意味・わかりやすい解説

外延
がいえん
extēnsiō ラテン語
extension 英語
extension フランス語
Umfang ドイツ語

伝統的論理学で、一つの概念が当てはまる範囲を、その概念の外延という。たとえば、「人間」の外延は、個々の人間の全体、つまり人類である。この言い方を広げて、一つの条件が当てはまるものの全体をその条件の外延ということにすると、これは、この条件によって決定される集合と同じものになる。つまり、外延は、現代論理学における集合にほぼ対応するものと考えてよい。

[吉田夏彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外延」の意味・わかりやすい解説

外延
がいえん
extensio; extension

論理学的概念としては,(1) 認識がそれに適用さるべき対象の集合。その場合,概念の外延と命題の外延とがあり,前者の場合はその概念を満足する個体の集合をいうが,伝統的論理学では概念に対してのみ外延を定義した。しかしフレーゲに始る新しい意味論においては命題の外延を考え,その際,命題の真理値がその外延となる。 (2) 論理的操作において考えられた対象ないし個別の集合,つまり命題における賓辞 (ひんじ) の外延は,その命題の外延の全体の一部にすぎない。 (3) ある命題が,単数 (集合的な場合も含めて) 命題か,複数命題かでもつ特徴。もしその命題が複数,ないし集合的な命題であれば,その命題は多かれ少なかれ,一般的な命題であると考えられる。

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百科事典マイペディア 「外延」の意味・わかりやすい解説

外延【がいえん】

内包に対する。ある概念が適用される対象の集合(クラス)をいう。たとえば〈金属〉の外延には金,銀,銅,鉄など一切の金属がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「外延」の意味・わかりやすい解説

外延 (がいえん)

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世界大百科事典(旧版)内の外延の言及

【概念】より

…関係については〈……は……より大きい〉〈……は……と……との間にある〉のように2項,3項等,一般に多項関係に加えて,〈人間〉〈犬〉〈桜〉のように単項関係としての〈属性〉あるいは複数の事物の〈共通性質〉が考えられる。属性を特殊例として含む〈関係〉は伝統的に概念の二つの側面として区別されてきたものの一つ,いわゆる〈内包〉に相当し,もう一つの側面である〈外延〉は集合に当たるといえる。アリストテレスに由来する,現代以前の伝統的形式論理学では概念に対してさまざまな分類が行われてきた。…

※「外延」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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