大元神社(読み)おおもとじんじや

日本歴史地名大系 「大元神社」の解説

大元神社
おおもとじんじや

[現在地名]安芸市赤野

赤野あかの集落のほぼ中央、赤野川に沿う丘陵にある。境内からは土佐湾を見下ろすが、社殿は北向きである。航行する船が神威を恐れるため社殿を北向きにしたと伝える。祭神は天御中主命・高皇産霊・神皇産霊で旧郷社。

創建については明らかでないが、「古文叢」になかかわの薬師堂蔵の鰐口銘として「応永三十三年正月廿五日、安芸郡和食庄赤野大元常住」とあり、このほか応永三三年(一四二六)六月八日の銘のある神鏡も奉納されたという(高知県神社誌)。天正一七年(一五八九)の下分和食地検帳に「大元大明神社檀ノシフキ 北向 九尺二間 横殿二間三間カヤフキ 弓場有」とある。


大元神社
おおもとじんじや

[現在地名]宮島町 大元公園

大願だいがん寺の西方大元浜に鎮座する。祭神国常立尊・大山祇神、相殿に佐伯鞍職を祀る。「厳島道芝記」は大元太明神と記し、「大元尊神と号し奉るは天地かいひやくの元神国常立尊なり、相殿二座は此の島に故ある御神といへり、正月三日御神楽はしめ当社にてあり、亦故あらんか、されば長浜恵比須社と両方向ひたゝせまします、是も故ありけるや、鳥居はいづれも海の面へむきて社と相そむけり、毎年六月十七日夜管絃祭は長浜にてはじまり、大元にて終る。今此両社には籠所とて大宮のごとく斎所あり」と記す。大元神社の鎮座する浜は、島廻りの最後の地で、参拝者も多い。


大元神社
おおもとじんじや

[現在地名]美和町大字西畑 土原

国常立尊を祀る。旧村社。

享保増補村記」には大本大明神社とあり、応仁二年(一四六八)勧請棟札にみえると記す。「玖珂郡志」は「応仁二戊子十一月五日庚子日勧請、依炎焼、同年十一月十一日丙申日奉再興、願主延藤左衛門也、西畑産土神、祭日五月五日、八月十五日、九月五日也、郷俗ノ説ニ、萩領長野ニ大元大明神有、元来長野モ西畑ノ大元ヲ産生神ニセシニ、御領引分也シ時、長野ヘモ勧請セシト也」と記す。


大元神社
おおもとじんじや

[現在地名]八幡浜市若山

丘陵部に鎮座。祭神は天御中主神高御産巣日神・神御産巣日神・宇摩志阿斯訶備比古遅神・天之常立神・国之常立神。旧郷社。

社伝によれば、応永年間(一三九四―一四二八)江川えのかわ城主井上備後守が文武守護神として勧請したというが、年代などは不明である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大元神社の言及

【宇佐神宮】より

…現在例祭は3月18日で,ほかに鎮疫祭(心経会)2月13日,御田植祭7月26日,神幸祭(夏越大祭,けんか祭)7月31日~8月2日,中秋祭(放生会)10月1~3日,春秋2度行われる致祭などがある。また奥宮大元神社(現,御許(おもと)山)の例大祭(春祭)は4月29日である。現本殿は1863年(文久3)の竣工であるが古来の様式をよくとどめ,八幡造の本源とされ,国宝。…

※「大元神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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