天御中主神(読み)アマノミナカヌシノカミ

デジタル大辞泉 「天御中主神」の意味・読み・例文・類語

あまのみなかぬし‐の‐かみ【天御中主神】

日本神話で、天地開闢かいびゃくのとき、高天原たかまがはら最初に出現した神。造化三神の一。中国で天の中心にいるという元始天尊思想からつくられたとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「天御中主神」の意味・読み・例文・類語

あまのみなかぬし‐の‐かみ【天御中主神】

  1. 記紀に見える神。高天原に最初に出現した造化三神中の一神。天の中心に位置する最高の始原神。中国の道家思想で北極星をいう「天皇大帝」の影響を受けて、天皇権威の象徴として観念的に作られた神と考えられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「天御中主神」の意味・わかりやすい解説

天御中主神 (あめのみなかぬしのかみ)

王権基礎づける神話として《古事記》神話が編成された時,その冒頭に置かれて神々の世界を統括した宇宙最高神。中国では東方世界の主宰神として天皇大帝があった。この神は天の中心にあって不動の北極星を神格化した神である。アメノミナカヌシノカミはこの天皇大帝の観念の借用であり翻訳であった。この神は《古事記》神話のなかで,民間の太陽信仰を統括かつ祖神化した皇室天照大神(あまてらすおおかみ)によって,尊厳を具体化され,神話の根幹は,天御中主神→天照大神→天神御子→初代天皇という展開をたどって,王権神話を完成する。日本の支配者が,7世紀より天皇号を使用してその権威を超絶したものとし,ついで,道教で宇宙最高神の権威の象徴であった,鏡,剣を皇位の璽(しるし)とし,《日本書紀》にいたって,国号を,道教でいう天上の清明な世界である〈大和〉と書くにいたる,一連の中国の観念を借りての国家および王権の尊厳化の試みも,この神の成立と関連する。
天皇
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百科事典マイペディア 「天御中主神」の意味・わかりやすい解説

天御中主神【あめのみなかぬしのかみ】

日本神話の神の名。高御産巣日(たかみむすひ)神,神産巣日神とともに造化三神の一人高天原(たかまがはら)に最初に現れた神で,日本の王権を基礎づける。中世,伊勢神道で尊崇され,宇宙の中心をなす神へ発展した。また妙見菩薩(ぼさつ)と習合して信仰された。
→関連項目天津神神皇産霊尊別天神高皇産霊尊

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