デジタル大辞泉 「大所」の意味・読み・例文・類語 おお‐どころ〔おほ‐〕【大所】 1 大きな構えの家。財産家。大家たいけ。おおどこ。2 勢力のある、主だった人。大家たいか。重鎮。「財界の大所が集まっている」3 主なもの。ある分野で勢力が大きいもの。「大所の問題は解決した」「大所の会社」 たい‐しょ【大所】 1 小さな点にこだわらない、広くて大きな立場。2 晴れの場所。「無上の上手なりとも、又、目利めきき、―にてなくば、よく出で来る事あるべからず」〈花伝・六〉 おお‐どこ〔おほ‐〕【大▽所】 「おおどころ」の略。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「大所」の意味・読み・例文・類語 おお‐どころおほ‥【大所】 〘 名詞 〙① 大寺社をいう。[初出の実例]「さすがにわが朝には熊野羽黒とて、大所にて候ぞかし」(出典:義経記(室町中か)七)② 大きな構えの家。大金持の家。財産家。大家(たいけ)。おおどこ。[初出の実例]「この者も、同じ所から大所(ヲヲトコロ)に使はれなば、それそれの商(あき)人になるべきものを」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)一)③ 勢力のある人。おもだった人。大家(たいか)。[初出の実例]「大阪貴石倶楽部の大所(オホドコロ)がだいぶ動いてゐるといふ噂が」(出典:魔都(1937‐38)〈久生十蘭〉一七)④ 特定の分野で、規模の大きいもの。おもなもの。[初出の実例]「これは夏の疫痢、冬の肺炎といった大どころが目立って減ったためらしい」(出典:鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉新聞学校カリキュラム)⑤ 京都、江戸、大坂のような大きな場所。大都会。 たい‐しょ【大所】 〘 名詞 〙 ( 「だいしょ」とも )① 大きな財産、土地など。また、それを所有している者。[初出の実例]「さすがは大所にすむほどあって、酒がうすいとはかしこい気のつけ所」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)鄙)② =たいしゃ(大社)①[初出の実例]「凡大祓使発訖、即差下遣供二幣帛於天神地祇一使上、〈略〉其幣法大所各絹五尺、〈略〉小所各絹三尺」(出典:延喜式(927)七)③ 多くの人の前で正式に、ことを行なうなどの、晴れがましい場所。晴れの場所。たいせつな場所。[初出の実例]「目利・大所(たいショ)にてなくは、よく出で来る事あるべからず」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)六)④ 小さなことにこだわらない、広く大きな観点・視野。→大所高所(たいしょこうしょ) おお‐どこおほ‥【大所】 〘 名詞 〙 =おおどころ(大所)②[初出の実例]「大所(オホドコ)ではナ、三度々々飯時には、台所で拍子木をうって家中へ知らせるわ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例