大脳辺縁系(読み)だいのうへんえんけい(英語表記)limbic system cerebrum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大脳辺縁系
だいのうへんえんけい
limbic system cerebrum

大脳半球の内側および底面にあたる皮質辺縁系 (梨状葉,海馬回,帯状回,後眼窩回,側頭極) とその基底核 (扁桃核,中隔核など) ,さらに機能のうえで一体となって働く視床下部も含めて大脳辺縁系という。自律系の統合中枢で,呼吸,循環,排出,吸収などに関与することから内臓脳ともいわれる。また情動形成,個体および種族維持に必要な本能的欲求の形成が行われるので情動脳ともいわれる。ここを刺激すると,体性運動系および自律系に広い範囲の影響がみられ,また食欲,性欲に伴う摂食行動,性行動,集団行動などが起る。海馬回は記憶に関係している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

大脳辺縁系【だいのうへんえんけい】

大脳で新皮質(大脳皮質)の発達とともに,旧皮質,古皮質との間に移行部分が発達する。この移行部と古皮質,旧皮質とを合わせて大脳辺縁系と総称する。広義の嗅脳と同義。古くから嗅覚(きゅうかく)に関係することが知られていたが,そのほか情動・本能などの基本的生命現象を発現あるいは統御することが知られている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

だいのうへんえんけい【大脳辺縁系 limbic system】

本来,嗅覚(きゆうかく)との関連において発達をとげた脳の系統発生的に古い皮質部分で,おおよそ広義の嗅脳に相当する。辺縁系という用語は主として比較解剖学的研究を基にして名づけられた辺縁葉limbic lobeに由来するが,この辺縁葉という言葉は,1878年P.ブローカが,室間孔の周囲を環状にとりまいている脳の中心部分に対してle grand lobe limbiqueという名称を与えたのに始まるとされている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

だいのうへんえんけい【大脳辺縁系】

大脳皮質のうち、旧皮質・古皮質からなる部分。本能的行動・情動・自律機能・嗅覚をつかさどる。 → 旧皮質古皮質

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

今日のキーワード

多文化主義

マルチ・カルチュラリズムともいう。さまざまな人種,民族,階層がそれぞれの独自性を保ちながら,他者のそれも積極的に容認し共存していこうという考え方,立場。「人種のるつぼ」的な同化主義に対抗する考え方で,...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

大脳辺縁系の関連情報