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大野晋 オオノススム

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デジタル大辞泉の解説

おおの‐すすむ〔おほの‐〕【大野晋】

[1919~2008]言語学者・国語学者。東京の生まれ。橋本進吉に師事し、上代仮名遣いの研究をすすめる。また、日本語の起源や変遷についての考察、本居宣長の研究などでもすぐれた業績をあげた。著「日本語練習帳」「日本語の起源」「日本語以前」「日本語とタミル語」など。

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百科事典マイペディアの解説

大野晋【おおのすすむ】

国語学者。東京都江東区深川生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。橋本進吉に師事。古代日本語の音韻,語彙,文法の研究を専門とした。日本語の起源を古代タミル語とするなど,日本語の起源や日本人の思考様式についてアイディアにみちた自説を展開し話題を呼んだ。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

大野晋 おおの-すすむ

1919-2008 昭和後期-平成時代の国語学者。
大正8年8月23日生まれ。中央大助教授などをへて,昭和35年学習院大教授。のち東洋英和女学院大教授。古代日本語の音韻,文法,語源解釈の研究をすすめる。日本語の起源の問題にとりくみ,タミル語と関係があると主張した。平成20年7月14日死去。88歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「日本語以前」「係り結びの研究」「日本語練習帳」,編著に「古典基礎語辞典」(平成23年刊行)など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大野晋
おおのすすむ
(1919―2008)

日本語学者。東京に生まれる。大野が日本語に関心を抱き始めたのは、中学生時代にさかのぼる。東京・深川の商家に生まれ育った大野は、生粋(きっすい)の江戸っ子、下町っ子であった。ところが中学校に入って得た友人の多くは山手(やまのて)育ちだった。山手の住人は、明治維新後に旧薩摩や長州、土佐などから移住してきた地方出身者である。使用する単語もいいまわしも違うが、同じ言葉としてひと括りにされる「日本語」とは何か、あるいは、生活習慣も何もかも違うのに同一のものとして扱われる「日本」とは何か、と大野は考えたのだった。
 1939年(昭和14)東京帝国大学に入学、日本語学の泰斗橋本進吉に師事する。43年同大学文学部国文学科卒業。
 53年に『上代仮名遣(かなづかい)の研究』、57年に『日本語の起源』を発表。資料の綿密な分析を通じて上代仮名遣いを研究し、各時代における日本語の音韻数の変遷および語彙の変化を考証する。それと並行して、『岩波古語辞典』(1974)を20年かけて編纂。『源氏物語』や本居宣長(もとおりのりなが)についての研究も行い、68~75年『本居宣長全集』の編纂に関わる。85年『類語国語辞典』(浜西正人(まさと)(1917― )との共著)を上梓。93年(平成5)『係り結びの研究』を発表。その後99年『日本語練習帳』が大ベストセラーとなり、「日本語ブーム」のきっかけをつくる。
 大野の日本語学の基本は、一つ一つの単語に対する徹底的なこだわりである。言葉の意味から発音にいたるまで厳密に考証していく。また、言語だけを対象とするのではなく、歴史学はもとより宗教学や文化人類学なども動員して徹底検証していく。
 1970年代末、大野は日本語とタミル語との強い関連性を指摘し、同一の起源をもつのではないかと唱えた。「日本語・タミル語同祖説」である。81年『日本語とタミル語』発表。タミル語はインド南部の言語であるが、単に音韻が対応する単語が日本語に多いというだけでなく、文法構造や係り結び、五七韻律など、共通する部分が多くある。また、日本語とタミル語とで共通する単語には稲作に関するものが多いことから、稲作の伝播とタミル語の影響には密接な関わりがあったのではないかと大野は推定する。縄文時代末期に、タミル人が北九州に到来し、稲作や金属の使用、機(はた)織りなどとともにタミル語をもたらしたのではないかと推論したのだ。この説は発表当初から学界内外で激しい論議を招いた。2000年発表の『日本語の形成』では、この説をタミル語と縄文語のクレオール現象として説明し、同祖説の総仕上げを行った。[永江 朗]
『『上代仮名遣の研究――日本書紀の仮名を中心として』(1953・岩波書店) ▽『日本語の世界』(1976・朝日新聞社) ▽『日本語とタミル語』(1981・新潮社) ▽『仮名遣と上代語』(1982・岩波書店) ▽『文法と語彙』(1987・岩波書店) ▽『弥生文化と日本語』(1990・角川書店) ▽『係り結びの研究』(1993・岩波書店) ▽『日本語の形成』(2000・岩波書店) ▽『日本語の起源』『日本語をさかのぼる』『日本語の文法を考える』『日本語以前』『日本語練習帳』(岩波新書) ▽大野晋ほか編『岩波古語辞典』(1982・岩波書店) ▽大野晋・浜西正人著『類語国語辞典』(1985・角川書店) ▽大野晋・大久保正編集校訂『本居宣長全集』(1989~91・筑摩書房)』

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世界大百科事典内の大野晋の言及

【黄】より

…佐竹昭広の論文〈古代日本語における色名の性格〉は,古代日本人にとって本来的な色名がアカ,クロ,シロ,アオの4種に限られること,前記4種以外の古代日本語の色名であるミドリ,ムラサキ,ハネズ,ハナダ,ニ,ソホなどがすべて古代生活における染色法と密接に結びついていること,この2点を指摘し,しばらく国語国文学界の先駆的役割を果たしつづけていた。その後,大野晋によって,シロを除くアカ,クロ,アオの基本的色名3種もまた染料,顔料による命名であるとの修正意見が出され,これが大方の承認を得るに至った。だが,そうだとすると,古代日本人は黄(きいろ)という色名を使わなかったことになるし,使っていた場合にも染色材料とのかかわり以外にはありえなかったことになる。…

【黒】より

… もっとも,近年この定説に対して異議がさしはさまれるようになっている。大野晋は論文《日本語の色名の起源》において,平安末期成立の漢和字書である《類聚名義抄(るいじゆうみようぎしよう)》に表記されたアクセント・清濁の記号を検討するかぎり,クロ(黒)とクラシ(暗)との語源が同一であるとする推定には障害が生ずる,と疑い,クロの語源もまた〈クリ(涅)〉すなわち黒泥(黒色の顔料)に由来するのではないかとの提説をおこなっている。 いっぽう,クロと陰陽五行とのかかわりはどうなっているかという問題が残るが,五行の5番目に配当された水気は,色において黒,方位において北,季節において冬,十二支では亥,子,丑の3支,十干では壬,癸を表しており,したがって,クロによって象徴される意味は〈冬,北,夜,暗黒〉ということになる。…

【日本語】より

…金沢庄三郎も《日韓両国語同系論》(1910)を発表し,同一起源説を主張した(例,〈われわれ〉日ware:朝uri)。さらに大野晋は《日本語の起源》(1957)の中で226の比較例を提示したが,語中での音声対応が確立できない状態にある。 藤岡勝二は《日本語の位置》(1908)という講演の中で,語頭に二つ以上の子音が現れない,語頭にr音がこない,母音調和がある,冠詞がない,文法性がない,動詞変化では語幹に接辞が付加される,動詞の接尾辞が多い,代名詞変化も語幹に接辞が付加される,後置詞を用いる,所有は〈誰々に何々がある〉という表現を用いる,奪格形〈より〉で形容詞を比較する,疑問文の終りに問いを示す語がくる,接続詞が少ない,形容詞が名詞の前に立つ,など14項目につきアルタイ諸語(モンゴル諸語,チュルク諸語,ツングース諸語)と日本語の特徴が一致すると説明した。…

※「大野晋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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