婦人会(読み)フジンカイ

デジタル大辞泉 「婦人会」の意味・読み・例文・類語

ふじん‐かい〔‐クワイ〕【婦人会】

女性によって組織された団体。また、その会合教養・娯楽・社会奉仕などを目的とする。

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精選版 日本国語大辞典 「婦人会」の意味・読み・例文・類語

ふじん‐かい‥クヮイ【婦人会】

  1. 〘 名詞 〙 婦人で組織した団体。教養・娯楽・社会奉仕などを目的とする。
    1. [初出の実例]「此頃米国にては婦人会とて名ある貴族の婦人を始め二三十人の令嬢達日を撰みて会をなし」(出典:婦女の鑑(1889)〈木村曙〉二六)

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改訂新版 世界大百科事典 「婦人会」の意味・わかりやすい解説

婦人会 (ふじんかい)

本来は婦人を構成員とする団体のことであるが,一般には地域婦人会のことをいう。婦人を構成員とする団体は,江戸時代の婦人講にまでさかのぼることができる。しかし,婦人会という名称を持つ組織としては1876年に結成された東京大谷婦人会が最初である。その後,明治の前半期に仏教系の婦人会が多く結成された。また85年ごろから,慈善,教育,風俗改良などを目的とした婦人会がつくられている。86年にはキリスト教系の東京婦人矯風会が結成され,93年にはキリスト教系の婦人団体の全国組織である日本基督教婦人矯風会婦人矯風会)が誕生した。また1901年,北清事変をきっかけに兵士慰問遺族救護を目的とした愛国婦人会奥村五百子主唱によって組織された。一方,明治末より義務教育の普及にともない,小学校区を単位とする地域婦人会がつくられ,1930年にはその全国組織として文部省所管の大日本連合婦人会がつくられた。また31年に陸軍省による大日本国防婦人会がつくられた。この官制三大婦人会の間に摩擦が生じたため,42年にこの三つが統合され大日本婦人会となった。第2次大戦後,地域の民主化を推進するために地方行政当局や占領軍民生部からの要望もあって,地域婦人会が町村を単位にして新たに結成され,その全国組織として52年に全国地域婦人団体連絡協議会地婦連)が結成された。表面的には戦前と戦後の婦人会はつながっていないが,実質的には戦前の体質を温存している会も多かった。そこで,新しい地域を作るための実践活動と同時に,女性の自己形成のための学習活動が重視されてきている。自主的な活動を積極的に行っている会もあるが,他方では行政の下請的活動を中心にしているところも少なくない。青少年の健全育成や地域の男女平等化を進めるためには,地域と密着した活動が必要であり,その役割は大きい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「婦人会」の意味・わかりやすい解説

婦人会
ふじんかい

女性を構成員とし一定の目的をもつ組織。明治以降1970年代まで婦人会(あるいは婦人団体)とよばれることが多かったが、国際婦人年(1975)以降は「婦人」ということばの古いイメージが嫌われ「女性団体」という名称が定着している。

[金森トシエ・編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の婦人会の言及

【地婦連】より

…1952年に山高しげり(1899‐1977)を会長に結成された。戦後,地域の民主化を進めるために,地方行政当局や占領軍民生部の要望もあり,町村単位の地域を基盤にした婦人会が結成された。それらの地域婦人会が郡市ごとに,さらに都道府県および指定都市ごとに連絡組織を作った。…

※「婦人会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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