宅磨栄賀(読み)たくまえいが

精選版 日本国語大辞典 「宅磨栄賀」の意味・読み・例文・類語

たくま‐えいが【宅磨栄賀】

  1. 鎌倉末期の絵仏師。勝賀を祖とする宅磨派京都絵仏師系の最後の人。作品に「十六羅漢」「柿本人麻呂像」など。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「宅磨栄賀」の意味・わかりやすい解説

宅磨栄賀 (たくまえいが)

14世紀中ごろ,鎌倉末期から室町前期に活躍し,宅磨派の最後をかざった絵仏師。生没年不詳。醍醐寺などに遺品をのこす長賀の子とも伝えるが,その画業等はあまり詳らかではない。応永2年(1395)東福寺性海霊見の賛の《柿本人麻呂像》(常盤山文庫)に〈栄賀〉の印があり,また《十六羅漢像》(藤田美術館),《山越阿弥陀図》(出光美術館)には〈託磨栄賀〉の落款があるほか,《釈迦三尊十六羅漢》(頂妙寺)などにその画業の一端がのこる。印章,落款を付すことはそれまでの絵仏師にはないことであり,新たな作家意識の萌芽がみとめられることは見逃せない。しかし伝統的作風とともに清新な新様式を意欲的に吸収しようとした初期宅磨派遺品にくらべ,同じく新来の宋元画羅漢図等を写しながら,和様化した定型的表現が目だつところに,宅磨派最末期の絵仏師栄賀の作風がうかがえよう。
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百科事典マイペディア 「宅磨栄賀」の意味・わかりやすい解説

宅磨栄賀【たくまえいが】

鎌倉末期の宅磨派画家。生没年,経歴不詳。遺作に,藤田美術館蔵《十六羅漢図》16幅,静嘉堂文庫美術館蔵《不動明王二童子像》のほか,《柿本人麻呂像》などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宅磨栄賀」の意味・わかりやすい解説

宅磨栄賀
たくまえいが

室町時代初期の宅磨派の絵仏師。新様の宋画様式の摂取に積極的であった宅磨派のなかで,次第に和漢融合し定型的な作風を示す。東福寺性海霊見が応永2 (1395) 年に著賛した『柿本人麻呂像』 (常盤山文庫) が時代の明徴唯一の作品。ほかに『不動明王二童子像』 (静嘉堂文庫) ,『十六羅漢像』 (頂妙寺) などが現存する。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宅磨栄賀」の解説

宅磨栄賀 たくま-えいが

?-? 南北朝時代の画家。
宅磨長賀の子といわれ,宅磨派最後の絵仏師とされる。作品に応永2年(1395)に性海霊見が賛(さん)をかいた「柿本人麻呂像」(常盤山文庫蔵),「十六羅漢像」(藤田美術館蔵)などがある。俗名は有信。

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