宇治橋東方の
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
京都府宇治市宇治山田に鎮座。旧村社。応神天皇,菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)命,仁徳天皇をまつる。《延喜式》神名帳に山城国宇治郡宇治神社二座とあり,当社を上社・本宮というのに対し,宇治神社を下社・若宮と称する。社地は菟道稚郎子の桐原日桁宮址と伝え,醍醐天皇のとき,山城の国司が社殿を造営したのが起源とされ,宇治神社と併せ離宮明神,離宮八幡とも総称。本殿は正面5間,側面3間の建物で,この中に3棟の内殿が併立する。内殿はすべて一間社流造で平安時代の作とされ,現存する神社建築最古の建造物で拝殿とともに国宝。境内社の春日神社社殿も一間社流造で鎌倉初期の作といわれ,重要文化財に指定されている。
執筆者:加藤 隆久
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京都府宇治市宇治山田に鎮座。祭神は応神(おうじん)天皇、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、仁徳(にんとく)天皇。『延喜式(えんぎしき)』に「宇治神社二座」とあり、その一座である「上社(かみのやしろ)」に比定され、それが社名の由来となっている。「下社(しものやしろ)」は宇治市宇治又振(またぶり)に鎮座する若宮(離宮八幡(はちまん)、現在の宇治神社)で、1883年(明治16)に分社されたと伝える。離宮とは菟道稚郎子の旧址(きゅうし)ともいう。旧府社。例祭日は5月8日。本殿は平安後期の造営とされ、現存する最古の流造(ながれづくり)の神社建築として有名。また拝殿も鎌倉時代の遺構をよく残し、ともに国宝に指定されている。1994年(平成6)、世界遺産の文化遺産として登録された(世界文化遺産。古都京都の文化財は清水寺など17社寺・城が一括登録されている)。
[二宮正彦]
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