宇治上神社(読み)ウジカミジンジャ

デジタル大辞泉 「宇治上神社」の意味・読み・例文・類語

うじかみ‐じんじゃ〔うぢかみ‐〕【宇治上神社】

京都府宇治市にある神社祭神応神おうじん天皇仁徳にんとく天皇菟道稚郎子うじのわきいらつこ本殿は現存する日本最古流れ造り神社建築として知られ、拝殿とともに国宝指定される。平成6年(1994)「古都京都の文化財」の一つとして世界遺産文化遺産)に登録された。

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日本歴史地名大系 「宇治上神社」の解説

宇治上神社
うじかみじんじや

[現在地名]宇治市宇治山田

宇治橋東方の仏徳ぶつとく(離宮山)の麓にある。祭神は応神・仁徳天皇菟道稚郎子うじのわきいらつこ命。「延喜式」神名帳の宇治郡に「宇治ウチノ神社二座」とあるうちの一座とされている。旧府社。平成六年(一九九四)には世界の文化遺産(古都京都の文化財)に登録された。明治維新以前は、槇島まきのしま村東部の産土神で、隣接する宇治神社離宮下りくうしも社または若宮とよんだのに対して離宮上社とよばれ、両社一体の神社として宇治離宮明神(八幡宮)総称されていたが、明治初年に分離した。当社の参道周辺に民家があり、付近を馬場ばば(町)と称した。境内は「山城国風土記」逸文にみえる応神天皇の皇子菟道稚郎子が住した離宮桐原日桁きりはらのひげた宮の旧跡と伝え、旧社名離宮明神もそれにちなむものという。

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改訂新版 世界大百科事典 「宇治上神社」の意味・わかりやすい解説

宇治上神社 (うじかみじんじゃ)

京都府宇治市宇治山田に鎮座。旧村社。応神天皇,菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)命,仁徳天皇をまつる。《延喜式》神名帳に山城国宇治郡宇治神社二座とあり,当社を上社・本宮というのに対し,宇治神社を下社・若宮と称する。社地は菟道稚郎子の桐原日桁宮址と伝え,醍醐天皇のとき,山城の国司が社殿を造営したのが起源とされ,宇治神社と併せ離宮明神,離宮八幡とも総称。本殿は正面5間,側面3間の建物で,この中に3棟の内殿が併立する。内殿はすべて一間社流造で平安時代の作とされ,現存する神社建築最古の建造物で拝殿とともに国宝。境内社の春日神社社殿も一間社流造で鎌倉初期の作といわれ,重要文化財に指定されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇治上神社」の意味・わかりやすい解説

宇治上神社
うじがみじんじゃ

京都府宇治市宇治山田に鎮座。祭神は応神(おうじん)天皇、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、仁徳(にんとく)天皇。『延喜式(えんぎしき)』に「宇治神社二座」とあり、その一座である「上社(かみのやしろ)」に比定され、それが社名の由来となっている。「下社(しものやしろ)」は宇治市宇治又振(またぶり)に鎮座する若宮(離宮八幡(はちまん)、現在の宇治神社)で、1883年(明治16)に分社されたと伝える。離宮とは菟道稚郎子の旧址(きゅうし)ともいう。旧府社。例祭日は5月8日。本殿は平安後期の造営とされ、現存する最古の流造(ながれづくり)の神社建築として有名。また拝殿も鎌倉時代の遺構をよく残し、ともに国宝に指定されている。1994年(平成6)、世界遺産の文化遺産として登録された(世界文化遺産。古都京都の文化財は清水寺など17社寺・城が一括登録されている)。

[二宮正彦]

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百科事典マイペディア 「宇治上神社」の意味・わかりやすい解説

宇治上神社【うじかみじんじゃ】

京都府宇治市宇治に鎮座。応神天皇,仁徳天皇,菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)尊をまつる。延喜式内社とされる。例祭5月8日。国宝の本殿は鎌倉時代の建築で流造としてだけでなく,最古の神社本殿建築に属し,細部までよく保存されている。1994年世界文化遺産に登録。
→関連項目宇治[市]古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇治上神社」の意味・わかりやすい解説

宇治上神社
うじがみじんじゃ

京都府宇治市にある神社。応神天皇,菟道稚郎子 (うじのわきいらつこ) ,仁徳天皇を祀る。一間社流造 (いっけんしゃながれづくり) の本殿3社殿の建立年代は確定できないが,11世紀後半から 12世紀初頭のものとされる。日本最古の神社建築。住宅風の拝殿 (鎌倉時代初期) も重要で,本殿とともに国宝。

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デジタル大辞泉プラス 「宇治上神社」の解説

宇治上神社

京都府宇治市にある神社。創祀は不明。祭神は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、応神天皇、仁徳天皇。神社建築として最古の建物とされる本殿、拝殿は国宝に指定。「古都京都の文化財」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録。

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