(宮崎修多)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
江戸初期の儒者。名は的,字は由的,遯庵は号。周防(すおう)岩国藩士。京都に出て,松永尺五に朱子学を学ぶ。著書が徳川幕府のとがめを受けて,国元で閉門を命ぜられたことがあったが,1675年(延宝3)許されてふたたび京都に出て,以後は晩年に岩国にもどるまで京都に居住した。儒者として独創的な思想を有していたわけではないが,儒学・漢詩文の典籍の平易な注釈書を多数著し,それらの典籍の普及に大きな役割を果たした。江戸初期の代表的な啓蒙学者である。著書に,詩集《遯庵詩集》(1713),注釈書《鼇頭(ごうとう)近思録》(1678),《杜律集解詳説》(1697),《三体詩詳解》(1700)などがある。
執筆者:日野 龍夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
江戸前期の儒学者。名は由的(ゆてき)、字(あざな)は三近。遯庵、頑拙(がんせつ)と号す。周防(すおう)(山口県)の人。京都の松永尺五(まつながせきご)に学ぶ。京都で開塾し、経書の標注書を多く著し、儒学の振興に寄与した。その著『日本古今人物史』の一部が幕府の忌諱(きい)に触れ、寛文(かんぶん)(1661~1673)末岩国に禁固されたが、1675年(延宝3)許されて帰京した。1678年岩国藩の儒者となり、1691年(元禄4)には岩国に帰って藩学の振興に尽くした。
[玉懸博之 2016年4月18日]
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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