宇都宮遯庵(読み)ウツノミヤトンアン

精選版 日本国語大辞典 「宇都宮遯庵」の意味・読み・例文・類語

うつのみや‐とんあん【宇都宮遯庵】

  1. 江戸前期の朱子学者。名は的、字(あざな)は由的、通称は三近。周防の人。松永尺五(せきご)に師事。岩国藩儒として仕えたが、四三歳のとき、著書「日本古今人物史」の耶蘇宗関係の記事を幕府にとがめられ、禁固数年。その後京都で講学晩年は岩国に戻る。精細な注釈で聞こえ、「鼇頭評註古文真宝」など、詩文の注解に関する著述が多い。寛永一〇~宝永四年(一六三三‐一七〇七

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改訂新版 世界大百科事典 「宇都宮遯庵」の意味・わかりやすい解説

宇都宮遯庵 (うつのみやとんあん)
生没年:1633-1709(寛永10-宝永6)

江戸初期の儒者。名は的,字は由的,遯庵は号。周防(すおう)岩国藩士。京都に出て,松永尺五に朱子学を学ぶ。著書が徳川幕府のとがめを受けて,国元閉門を命ぜられたことがあったが,1675年(延宝3)許されてふたたび京都に出て,以後は晩年に岩国にもどるまで京都に居住した。儒者として独創的な思想を有していたわけではないが,儒学・漢詩文典籍の平易な注釈書を多数著し,それらの典籍の普及に大きな役割を果たした。江戸初期の代表的な啓蒙学者である。著書に,詩集《遯庵詩集》(1713),注釈書《鼇頭(ごうとう)近思録》(1678),《杜律集解詳説》(1697),《三体詩詳解》(1700)などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇都宮遯庵」の意味・わかりやすい解説

宇都宮遯庵
うつのみやとんあん
(1633―1707)

江戸前期の儒学者。名は由的(ゆてき)、字(あざな)は三近。遯庵、頑拙(がんせつ)と号す。周防(すおう)(山口県)の人。京都の松永尺五(まつながせきご)に学ぶ。京都で開塾し、経書の標注書を多く著し、儒学の振興に寄与した。その著『日本古今人物史』の一部が幕府の忌諱(きい)に触れ、寛文(かんぶん)(1661~1673)末岩国に禁固されたが、1675年(延宝3)許されて帰京した。1678年岩国藩の儒者となり、1691年(元禄4)には岩国に帰って藩学の振興に尽くした。

[玉懸博之 2016年4月18日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宇都宮遯庵」の解説

宇都宮遯庵 うつのみや-とんあん

1633-1707 江戸時代前期の儒者。
寛永10年2月30日生まれ。松永尺五(せきご)にまなび,郷里の周防(すおう)(山口県)岩国の吉川(きっかわ)家につかえる。延宝3年「日本古今人物史」で幕府のとがめをうけ,岩国に禁固。赦免後京都でおしえ,晩年ふたたび吉川家で教授。初学者むきの標註書をおおくあらわした。宝永4年10月10日死去。75歳。名は的。字(あざな)は由的。通称は三近。別号に頑拙。

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367日誕生日大事典 「宇都宮遯庵」の解説

宇都宮遯庵 (うつのみやとんあん)

生年月日:1633年2月30日
江戸時代前期;中期の蘭学者
1709年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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