勤労青少年や社会人に学校教育を受ける機会を与えるために、昼間に毎日毎週通学する本来の履修形態(全日制)をとらず、特定の時間帯に継続して履修する形態をいう。勤労時間外の夜間を利用する形態(夜間定時制。その課程を設置する学校を夜間学校という)が定時制の伝統的かつ中心的方式である。その他勤務形態に応じて、隔日通学などの形態(サンドイッチ・システム)、昼間または昼夜交代の定時制、さらに年間の受講時間を定めるだけの方式もある。
定時制は、なによりも勤労青少年に教育機会を保障するための措置であるから、全日制教育が拡充普及されると、その利用者は減少する。以下、日本の定時制高校の推移をみると、定時制高校は、1948年(昭和23)に全日制高等学校と同時に発足した。その年の定時制高校生徒の比率は全高校生の20.9%であった。その後、日本が豊かになるにつれて、その比率は低くなり、1995年(平成7)には2.3%の底をつく。その後は、2000年2.7%、2005年3.1%と微増した。この微増には数字以上の意味がある。生涯学習の時代を迎え、勤労成人や当該時期に学校に行き損じた若者、さらには外国人子弟の利用度が高くなっているからである。ここに、教育の機会均等措置以外の定時制の意義を見いだすことができる。
[桑原敏明]
『脇浜義明著『教育困難校の可能性 定時制高校の現実から』(1999・岩波書店)』▽『八覚正大著『夜光の時計――定時制高校からの21世紀教育へのまなざし』(2000・新読書社)』▽『手島純著『格差社会にゆれる定時制高校――教育の機会均等のゆくえ』(2007・彩流社)』
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