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定窯 ていようDing-yao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

定窯
ていよう
Ding-yao

中国,唐後期以来,河北省曲陽県澗磁村でおもに白磁を焼いた名窯。北宋代には官窯であった。白い素地にクリーム色がかった透明釉をかけたものと,型押しや浮彫など彫文を施して透明釉をかけたものとがある。また金彩を施したものは,金花定窯として特に珍重される。作品は気品に満ち,格調が高い。器形には鉢,皿,水差し,合子などがある。北宋末期に廃窯。

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デジタル大辞泉の解説

てい‐よう〔‐エウ〕【定窯】

中国河北省曲陽県にあった陶窯。晩唐に始まり、北宋代に白定と称される象牙質の白磁を焼成して隆盛した。

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百科事典マイペディアの解説

定窯【ていよう】

中国,宋時代を代表する白磁窯。窯跡は河北省曲陽県澗磁村にある。唐末期に開かれ,北宋期に飛躍的に発展する。作品は焼成の際,伏せ焼きにするため薄作りに仕上がり,鋭く厳正な形をもつ。
→関連項目鉅鹿

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世界大百科事典 第2版の解説

ていよう【定窯 Dìng yáo】

中国,宋代の北方窯。1941年,小山冨士夫によって河北省曲陽県の澗磁村と燕山村で窯址が発見された。その後中国の考古学者,陶磁学者によって窯址の発掘調査が行われ,五代より宋,金代にわたり白磁を中心として磁器を焼造していることが明らかになった。定窯では白磁を中心に焼造しているが,黒釉をかけた黒定といわれるものや,柿釉をかけた柿定(紅定)や,磁州窯風の搔落しのものや,焼締陶などがある。このほかに数は少ないが緑釉をかけた緑定などもある。

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大辞林 第三版の解説

ていよう【定窯】

中国、北宋代の陶窯。白定と称されるすぐれた白磁などを産した。1941年(昭和16)小山冨士夫によって河北省曲陽県澗磁村および燕山村で窯址が発見された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

定窯
ていよう

中国宋(そう)代(10~13世紀)に隆盛した白磁の名窯。窯址(ようし)は河北省曲陽県澗磁(かんじ)村と燕山(えんざん)村にあり、開窯は晩唐代の9世紀であるが、文献に名高い(けいしゅう)窯が近くの臨城県に発見されていて定窯の初期の作風と共通するところから、州窯の支窯として発祥した可能性もある。晩唐から五代(10世紀)にかけては、純白色の粘土にやや青みのある透明釉(ゆう)を施した、やや肉取りの厚い重厚な趣(おもむき)の名作を焼いて頭角を現し、華北第一の白磁の名窯の地位を確立した。その後北宋(ほくそう)王朝(960建国)のもとで11世紀初頭からは作風を北宋様式へと変え、クリーム色の典雅な釉色を完成させている。器形は薄手で、細密なスタンプ文様、フリーハンドで篦(へら)を駆使した流れるような文様を創案して、精緻(せいち)な浮彫り、刻花、印花文など北宋白磁の洗練の極致を築いた。ほかに黒釉磁(黒定)や白化粧陶、掻落(かきお)とし技法を用いたり金銀彩を焼き付けた加飾陶磁、わずかながら緑釉磁(緑定)も焼き、皿、鉢、水注、瓶、壺(つぼ)、人形などをつくった。女真軍の華北進攻(1125)後の金王朝下にも製陶が続けられたことが近年判明しており、作風は粗悪化しつつもかなり量産されたようだが、元代以後、14世紀には極度に衰退していった。[矢部良明]

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世界大百科事典内の定窯の言及

【白磁】より

…唐代後期,河北省臨城県の邢窯で硬質の白磁が焼造され,華南の越州窯青磁とならんで高い評価を受けたことが《茶経》などに記されている。五代・北宋時代は邢窯にかわって河北省曲陽県の定窯が白磁焼造の中心となり,薄胎で象牙のように白い器の白磁がつくられ,金・元代の名窯として活動をつづけた。明代には定窯は衰退し,山西省の霍県(かくけん)窯などでわずかに仿定器の白磁がつくられたにすぎない。…

※「定窯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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