宝髻(読み)ほうけい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宝髻
ほうけい

奈良時代,女性礼服着用の際の唐風結髪様式 (→義髻 ) 。髪を頭上で束ねた高髻で,U字形をした金属製の束髪ピン釵子 (さいし) を3本挿し,金銀玉を用いた花形の飾りを加えたものをいう。薬師寺蔵『吉祥天立像』の頭部にこの例がみえる。近世には剣 (つるぎ) 形の突起が3本ついた平額 (ひらびたい) と称する髪飾りに継承され,女官礼装する際に用いられた。

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デジタル大辞泉の解説

ほう‐けい【宝×髻】

仏像で、菩薩(ぼさつ)が頭上に結んでいるもとどり。
奈良時代、律令制で五位以上の女子が礼服のときに頭上に結んだ理髪の様式。また、髪の髻(もとどり)に挿す金銀珠玉の髪飾りもいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうけい【宝髻】

飛鳥・奈良時代の貴族女性の髪形。の衣服令にならって,日本の上層階級は,大陸の服装をほとんどそのまま模倣することとなった。隋・の服装,結髪,化粧法は,薬師寺の吉祥天女像,正倉院樹下美人図,唐の人物俑(よう)ほか当時の仏画,仏像などによって想像することができる。この唐の俑にみられる結髪には高髻(こうけい)と垂鬟(すいかん)の2種類がある。貴族女性の結う高髻は儀式などの礼装に結われるもので,髻のまわりは金玉の鈿(でん),釵(さい),歩揺(ほよう)などによって美しく飾られた。

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大辞林 第三版の解説

ほうけい【宝髻】

菩薩や天部の仏像が頭上に結んでいるもとどり。
奈良時代、女子が礼服を着用する際に結った唐風の髪形。髢かもじを用いて髪を高く結い、金銀珠玉の髪飾りを付ける。男子の礼冠に相当した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宝髻
ほうけい

奈良時代における髪飾りの一種。大宝令(たいほうりょう)の衣服令の内親王礼服(らいふく)の条に記され、これを『令義解(りょうのぎげ)』では、金玉をもって髪緒を飾るゆえに宝髻というとある。つまり男の礼服に相当するものである。宝石をちりばめた透彫りをした金具に、竜、鳳(ほう)、麒麟(きりん)を立物(たてもの)としたものを髻(もとどり)の上に飾る。平安時代には垂髪の上にこぶのような髷(まげ)をつくり、これに釵子(さいし)をしたものをも宝髻とよんだ。[遠藤 武]

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世界大百科事典内の宝髻の言及

【髪形】より

…また,大きくふくらませた一種の垂髪形式など,身分や年齢差が髪形に表れるようになった。これらを高髻(こうけい)または宝髻(ほうけい),頭上二髻(ずじようにけい),垂髪(すいはつ)などの名称で分類している。男性の髪形は,隋の風俗を模して,冠服の制にならい官職にある男性はをかぶることになり,髪を全部引きあげて頭上に髻(もとどり)を結んだ頭上一髻といわれる形に定着する。…

※「宝髻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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