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実証哲学講義 じっしょうてつがくこうぎ

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世界大百科事典 第2版の解説

じっしょうてつがくこうぎ【実証哲学講義】

1830年から42年にかけて刊行されたA.コントの主著で,原名はCours de philosophie positive。第1巻は序論と数理哲学,第2巻は天文哲学と物理哲学,第3巻は化学哲学と生物哲学,第4巻は社会哲学の理論的部分,第5巻はその歴史的部分,そして最後の第6巻はそのつづきと結論から成っている。これは実証主義の立場にもとづいて,抽象的諸科学の全体を単純なものから複雑なものへと配列し,さらにより複雑な科学における帰納をより単純な科学からの演繹によって基礎づけることにより,世界全体についての一つの体系的学問を樹立しようとした壮大な試みであった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実証哲学講義
じっしょうてつがくこうぎ
Cours de philosophie positive

フランスの哲学者コントの著作。全6巻。1830~42年刊。本書は概説2講、数学16講、天文学、物理学、化学、生物学各10講、社会学(社会物理学)14講の全72講からなり、その目的は社会学と実証哲学を確立することである。社会学は社会静学社会動学とに分けられる。前者は社会の生理学に相当し、家族や分業などの分析にあてられ、後者は人間の知性、知識の発展を動的な観点から究明しようとする。コントの力点は後者にあり、有名な三段階発展説によって人間知性の発展が説明される。第一の神学的段階では、想像力によって占星術錬金術などが生まれ、第二の形而上(けいじじょう)学的段階では、抽象的思弁によって事物の内在的本質としての力が想定されるが、第三の実証的段階において、初めて真に科学的な推理と観察による知識が獲得される。科学はその発展にしたがって数学、天文学、物理化学、社会学に分類され、それらの方法も数学的分析、観察、実験、比較、歴史的観察法などの諸段階に区分される。[足立和浩]
『霧生和夫他訳『世界の名著36 コント他 実証精神論他』(1974・中央公論社)』

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世界大百科事典内の実証哲学講義の言及

【実証主義】より

…そして,この見地から,天文学,物理学,化学,生理学という順序で実証的になってきた科学的方法を用いて社会現象を研究し,政治,経済,道徳,宗教などを含むいっさいの人間的・文化的・社会的事象の相互関連性を総合的・統一的に説明すべきであると主張し,それを〈社会生理学〉と命名した。コントはサン・シモンの基本構想を引き継ぎ,さらにいっそう体系化し,《実証哲学講義》全6巻(1830‐42)において〈実証的〉という語を定義し,〈架空〉に対する〈現実〉,〈無用〉に対する〈有用〉,〈不確定〉に対する〈確定〉,〈あいまい〉に対する〈正確〉,〈消極的,否定的〉に対する〈積極的,建設的〉などの特徴をあげた。そして実証的とは〈破壊する〉ことでなくて〈組織する〉ことであると説き,人間の知識と行動は〈神学的〉―〈形而上学〉―〈実証的〉になるという〈3段階の法則〉を提示し,社会現象についての実証的理論を〈社会学sociologie〉,実証的知識に基づいて自然界,精神界,社会界を全体的に一貫して説明する理論を〈実証哲学philosophie positive〉と呼んだ。…

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