実験式(読み)じっけんしき(英語表記)empirical formula

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「実験式」の解説

実験式
じっけんしき
empirical formula

(1) 化合物中の原子組成を表わす最も簡単な化学式組成式あるいは経験式ともいう。元素分析によって得られる各元素百分率をそれぞれの元素の原子量で割って得られる数値 (各成分元素の原子数の割合) を最も簡単な整数とし,各元素記号のあとにつけた式。ブドウ糖 C6H12O6 もホルムアルデヒド CH2O も実験式で表わすと CH2O である。分子量を考慮することによって実験式から分子式を導くことができる。
(2) 理論的根拠は明らかでないが,実測によって見出された諸量の間の関係式を一般に実験式という。実験式を実測範囲をはみ出して使うことは注意を要する。

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精選版 日本国語大辞典「実験式」の解説

じっけん‐しき【実験式】

〘名〙
① 化学式の一つ。元素記号を用いて、分子を構成する原子の種類と各種原子の数の最も簡単な整数比を示す式。元素分析による各元素の重量百分率をそれぞれの原子量で除し、比を算出して求める。これに分子量を測定して入れると分子式となる。元素組成式。組成式。
② 同一の自然現象に関連する二つの量x、yの関係式で、実験の結果得られた数値に合うように作ったもの。理論から導かれる理論式に対していう。経験式。〔工学字彙(1886)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)「実験式」の解説

実験式
じっけんしき
empirical formula

実験事実から帰納され、経験的に成立することが認められた諸量の関係を示す式。経験式ともいう。

 化学では、化合物の元素分析によって得られた元素組成を示す化学式を実験式というが、組成式ともいう。化合物中の各元素の重量百分率をそれぞれの元素の原子量で割った値を求め、それらの比から、構成原子数の比がもっとも簡単な整数比となるように定める。成分元素・組成が同じ化合物はすべて同じ実験式をもつ。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版「実験式」の解説

実験式
ジッケンシキ
empirical formula

元素組成式ともいう.分子を構成する成分元素の種類と,それらの原子数の割合を,もっとも簡単な整数比で表した化学式.たとえば,ホルムアルデヒド酢酸,グルコースなどの実験式は,いずれもCH2Oで表される.元素分析によって,その化合物に含まれる成分元素の質量百分率を求め,この値とそれぞれの元素の原子量の値から,成分元素の原子数の比を計算して実験式が決められる.

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百科事典マイペディア「実験式」の解説

実験式【じっけんしき】

化合物をつくっている原子の種類と数を相対的な比で示す最も簡単な式。たとえばベンゼンは分析してみると常に炭素1に対して水素1の割合からなるので,その実験式はCHである。さらに分子量その他の測定から分子式(ベンゼンの場合はC6H6)が求められる。→化学式構造式
→関連項目公式

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世界大百科事典 第2版「実験式」の解説

じっけんしき【実験式 empirical formula】

経験式ともいい,実測結果からその諸量の間の関係を式の形で表したもの。たとえば物理学では,ボイル法則〈一定量の気体の体積Vは,温度一定のときその圧力Pに反比例する〉,すなわち〈PV=一定〉という実験式などがその例である(ボイル=シャルルの法則)。ただし,化学における実験式とは組成式のことで,1分子中に含まれる各元素の原子数の割合を示すものである。化学における実験式の求め方の例を次に述べる。ある有機化合物4.00mgを完全に燃焼させて,二酸化炭素(分子量44.0)7.65mgと水(分子量18.0)4.69mgを得たとすると,この化合物4.00mg中の炭素(原子量12.0),水素(原子量1.0),酸素(原子量16.0)の質量はそれぞれ,であり,これらの質量を各元素の原子量で割れば,原子数の割合がと求まるから,この化合物の実験式はC2H6Oである。

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