経験式ともいい,実測結果からその諸量の間の関係を式の形で表したもの。たとえば物理学では,ボイルの法則〈一定量の気体の体積Vは,温度一定のときその圧力Pに反比例する〉,すなわち〈PV=一定〉という実験式などがその例である(ボイル=シャルルの法則)。ただし,化学における実験式とは組成式のことで,1分子中に含まれる各元素の原子数の割合を示すものである。化学における実験式の求め方の例を次に述べる。ある有機化合物4.00mgを完全に燃焼させて,二酸化炭素(分子量44.0)7.65mgと水(分子量18.0)4.69mgを得たとすると,この化合物4.00mg中の炭素(原子量12.0),水素(原子量1.0),酸素(原子量16.0)の質量はそれぞれ,=0.52mg,4.00-(2.09+0.52)=1.39mgであり,これらの質量を各元素の原子量で割れば,原子数の割合がと求まるから,この化合物の実験式はC2H6Oである。
→化学式
執筆者:佐野 瑞香
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実験事実から帰納され、経験的に成立することが認められた諸量の関係を示す式。経験式ともいう。
化学では、化合物の元素分析によって得られた元素組成を示す化学式を実験式というが、組成式ともいう。化合物中の各元素の重量百分率をそれぞれの元素の原子量で割った値を求め、それらの比から、構成原子数の比がもっとも簡単な整数比となるように定める。成分元素・組成が同じ化合物はすべて同じ実験式をもつ。
[岩本振武]
元素組成式ともいう.分子を構成する成分元素の種類と,それらの原子数の割合を,もっとも簡単な整数比で表した化学式.たとえば,ホルムアルデヒド,酢酸,グルコースなどの実験式は,いずれもCH2Oで表される.元素分析によって,その化合物に含まれる成分元素の質量百分率を求め,この値とそれぞれの元素の原子量の値から,成分元素の原子数の比を計算して実験式が決められる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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