香川県小豆(しようど)島北東部,小豆(しようず)郡小豆島町の旧内海町にある景勝地。瀬戸内海国立公園の一部で,国の名勝。島最高峰の星ヶ城(817m)をいただく広大な安山岩層からなる溶岩台地(美しの原)の南東部にあたり,最高点は約700m。下部の花コウ岩の上にのる集塊岩層が差別浸食を受け,大小無数の奇岩怪石を生み出した。東西8km,南北4kmにわたって通天窓,紅雲亭,錦屛風,老杉洞,石門,四望頂などの表十二景と裏八景があり,天下の絶景として古くから知られる。応神天皇が鉤(かぎ)をかけて登ったのでかぎかけ山と名付け,のち神懸山,明治になって現名に転訛したという。1963年には全長917mのロープウェーが完成,後にドライブウェーもできた。秋の紅葉シーズンが最も美しい。
執筆者:坂口 良昭
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香川県北東部、小豆(しょうど)島のほぼ中央部にある渓谷。四方指(しほうざし)(777メートル)と島の最高峰星ヶ城山(817メートル)の間にあり、東西8キロメートル、南北4キロメートルに及ぶ。花崗(かこう)岩、安山岩と角礫(かくれき)凝灰岩などの火山性岩石が長い年月をかけて差別侵食を受け、松茸(まつたけ)岩、烏帽子(えぼし)岩、錦屏風(びょうぶ)、玉筍峯(ぎょくじゅんぽう)などの奇岩怪石の絶景をつくり、初夏の新緑、秋の紅葉に彩られる。国の名勝に指定され、1963年(昭和38)のロープウェー、1970年の有料道路の寒霞渓公園線(現在は無料)開通で観光客は飛躍的に増加した。寒霞渓という名称は、応神(おうじん)天皇が岩に鉤(かぎ)をかけて渓谷を登られたという故事に由来するといわれ、鉤掛(かぎかけ)や神懸(かんかけ)とよばれた。明治の初め、儒学者藤沢南岳(なんがく)(1842―1920)によって寒霞渓と命名された。付近には安山岩の板状節理の発達する四方指、星ヶ城跡などがあり、一帯は瀬戸内海国立公園に含まれる。
[新見 治]
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