寺島良安(読み)テラジマリョウアン

デジタル大辞泉 「寺島良安」の意味・読み・例文・類語

てらじま‐りょうあん〔‐リヤウアン〕【寺島良安】

江戸中期漢方医大坂の人。あざなは尚順。号、杏林堂。御城入医師で、法橋ほっきょうに叙せられた。日本最初の絵入り百科事典和漢三才図会」105巻を著述。他の著作に「済生宝」など。生没年未詳。

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精選版 日本国語大辞典 「寺島良安」の意味・読み・例文・類語

てらじま‐りょうあん【寺島良安】

  1. 江戸中期の漢方医、雑学者。大坂の人。字は尚順、号は杏林堂。大坂の御城入医師となり、法橋となる。和漢の学に広く通じ、「和漢三才図会」を著わす。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「寺島良安」の意味・わかりやすい解説

寺島良安 (てらじまりょうあん)

江戸中期の医家,雑学者。生没年不詳。字は尚順,号は杏林堂。大坂高津の人。和気仲安の門人で,大坂城の御城入医師として法橋に叙せられたが,その他の経歴は不明。医業に励むかたわら,心を文学に寄せ,和漢の学に博達していた。とくに良安の名を高からしめたのは,1712年(正徳2),群書を渉猟すること30余年ののちに成った《和漢三才図会》105巻であり,同書は日本の一大百科事典の初めとして,その文化的価値は不朽である。編著はほかに医学書の《済生宝》をはじめ,《通俗三才諸神本紀》《武徳安民記》《弘法大師略伝》など。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寺島良安」の意味・わかりやすい解説

寺島良安
てらじまりょうあん

生没年不詳。江戸中期の医家。大坂高津の人。字(あざな)は尚順、杏林堂(きょうりんどう)と号した。御城入医師となり、法橋(ほっきょう)に叙せられたが詳しい経歴は不明。和漢の学に通じ、医業のかたわら中国の王圻(おうき)(生没年不詳)の『三才図会』に倣って、1712年(正徳2)『和漢三才図会』105巻を編纂(へんさん)した。これは日本における最初の百科事典というべき著作である。ほかに『済生宝』(1722)、『通俗三才諸神本紀』(1723)などがある。

内田 謙]


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朝日日本歴史人物事典 「寺島良安」の解説

寺島良安

没年:没年不詳(没年不詳)
生年承応3(1654)
江戸中期の医者,考証家。字は尚順,号は杏林堂。秋田能代の船問屋尾張屋の息子として生まれ(一説に大坂高津生まれとも),のちに大坂に移って同じ能代出身の伊藤良立に学ぶ。医学を和気仲安に学び,大坂城の御城入医師となり,法橋に叙せられた。明代に広まった易医論の影響のもと,天地人三才に広く通じてこそはじめて真の医家であるという考えに立って,中国の『三才図会』にならい,わが国最初の絵入り百科『和漢三才図会』(1712)を著した。20歳代後半から30余年を経て脱稿した本書のほか,『三才諸神本紀』『済世宝』『弘法大師略伝』『湯液痘疹良方』などの著書がある。没年は享保年間(1716~36)末期ごろと思われる。<参考文献>島田勇雄「『和漢三才図会』2解説(平凡社東洋文庫)」

(石田秀実)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「寺島良安」の解説

寺島良安 てらじま-りょうあん

1654-? 江戸時代前期-中期の医師。
承応(じょうおう)3年生まれ。和気仲安の門弟。大坂城の御城入医師,法橋(ほっきょう)となる。わが国初の絵入り百科事典といわれる「和漢三才図会(ずえ)」105巻を編集,正徳(しょうとく)2年刊行した。出羽(でわ)能代(秋田県)出身。一説に大坂出身とも。字(あざな)は尚順。号は杏林堂。著作はほかに「通俗三才諸神本紀」「済生宝」など。
【格言など】暫時(しばし)の口味に泥(なず)んで,身命を賭(かけもの)にするは,密〓(“女へん”に「瑤」のつくり)(まおとこ)する者と趣きは一なり(「和漢三才図会」)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寺島良安」の意味・わかりやすい解説

寺島良安
てらじまりょうあん

江戸時代中期の医師。大坂の人で字は尚順,古林堂と号す。和気仲安に医術を学ぶ。御城入医官となり,法橋まで昇進した。和漢の学に通じ,正徳2 (1712) 年図説百科事典『和漢三才図会』 (105巻) を完成。

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世界大百科事典(旧版)内の寺島良安の言及

【和漢三才図会】より

…105巻81冊。編者は大坂の医師寺島良安。編者の師和気仲安の〈医者たる者は宇宙百般の事を明らむ必要あり〉との言に従い著述を計画。…

※「寺島良安」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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