引導(読み)いんどう

デジタル大辞泉の解説

いん‐どう〔‐ダウ〕【引導】

仏語。衆生を導いて悟りの道に入らせること。
葬儀の際に導師が棺の前に立ち、死者が悟りを得るように法語を唱えること。また、その法語。
先に立って導くこと。
「―の山伏に、いかなる御座敷候ふぞと問へば」〈太平記・二七〉

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世界大百科事典 第2版の解説

いんどう【引導】

先に立って導くことをいうが,仏教用語としては,迷っている者たちを悟りの世界へ導くことを意味し,さらに転化して,死者を浄土(仏の国土)へ導き入れる儀式をさすようになった。葬式における導の仕方は仏教諸宗派によってさまざまであって一定していない。葬式を中心になって行う導師が棺前において,諸行無常(人生のすべてのことは必ず変化する)の理(ことわり)と,必ず仏の救いにあずかることを説いて,死者にこの世との縁を切らせることを引導をわたすという。

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大辞林 第三版の解説

いんどう【引導】

〘仏〙
人々を導いて仏の道に入れること。正しい道に導くこと。
葬儀の時、僧が死者に解脱げだつの境に入るように法語を与えること。
導くこと。案内。 「 -の山伏しかじかと申しける/太平記 27
[句項目] 引導を渡す

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

引導
いんどう

誘引開導の意で、本来は人を正しい道、仏道に導き入れることをいうが、転じて、死者を彼岸(ひがん)に導き済度(さいど)する葬儀の儀礼をいう。日本仏教では、真宗を除く各宗派でそれぞれ異なる引導の方法があるが、禅宗では法要を主宰する導師が柩(ひつぎ)の前で、引導法語とよばれる法語、偈頌(げじゅ)などを唱え、「喝(かつ)」などと大声を発する独特の儀式がある。これは中国唐代中期の禅僧黄檗希運(おうばくきうん)が溺死(できし)した母のために法語を唱え、荼毘(だび)の火を投じたことに由来するといわれる。[石川力山]

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