小田城(読み)おだじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小田城
おだじょう

鎌倉時代初期 (12世紀末) に八田知重が常陸筑波小田村 (茨城県つくば市) に築いた城。以後八田家の子孫代々ここに居住し (→小田氏 ) ,南北朝時代南朝に志を寄せたが,興国3 (1342) 年治久のとき,足利氏に降伏した。氏治のとき,北条氏に帰し,永禄3 (1560) 年,太田三楽のために破られ,以後太田氏が城主となったが,天正 18 (90) 年廃城。

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百科事典マイペディアの解説

小田城【おだじょう】

常陸(ひたち)国の中世小田氏の居城。城跡は茨城県つくば市の三村山から南麓の小田地区に広がり,小田地区の平城(ひらじろ)遺構は史跡。小田氏は下野(しもつけ)国の宇都宮氏の庶流であった常陸守護八田知家の子孫で,鎌倉初期の小田城は守護所の役割を果したと考えられる。南北朝内乱期には小田氏は南朝方に属し,北畠親房はこの城で《神皇正統記(じんのうしょうとうき)》や《職原抄》を執筆した。戦国期にはたびたび合戦の舞台となり,佐竹氏の攻撃によって小田氏は城を放棄。以後,佐竹氏の支配下におかれたが,1602年に佐竹義宣(よしのぶ)が出羽(でわ)国秋田に移封されたのに伴って廃城となった。→関城

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世界大百科事典 第2版の解説

おだじょう【小田城】

中世の常陸国の豪族小田氏(おだうじ)の居城。茨城県つくば市小田にあった。小田氏は下野の豪族宇都宮氏の庶流八田知家が,筑波山麓の小田へ進出して小田氏を称したのに始まる。知家は常陸国守護に任じられ,在来の常陸平氏の一族の勢力を圧倒し,常陸南半に勢力を扶植した。小田城は鎌倉時代初期,常陸国守護所の機能を有したと思われる。鎌倉中期以後,小田氏は常陸に進出する北条氏に圧迫され,その勢力は衰えた。建武の内乱の際,小田氏は南朝方となった。

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日本の城がわかる事典の解説

おだじょう【小田城】

茨城県つくば市にあった平城(ひらじろ)。国指定史跡。源頼朝が鎌倉幕府を開いた1192年(建久3)に宇都宮氏の一族で小田氏の祖である八田知氏が築いた。南北朝時代初めの1338年(暦応1/延元3)、劣勢となった南朝方の北畠親房や伊達行朝らを乗せた船団が、南朝方の諸将を結集して勢力を盛り返そうと東北へ向けて出航した後、暴風雨により常陸国に漂着し、親房らは南朝方の武将の小田治久を頼って、その居城の小田城に入城した。北畠親房の『神皇正統記』は、この小田城滞在中に執筆を開始したといわれる。その後、小田城は関城、大宝城、伊佐城など近隣の南朝方の諸城と連携して、北朝方に対抗したが、のちに城主の小田治久が北朝方に転じたことにより、北朝方が優勢となり、高師冬(こうのもろふゆ)の遠征により北朝方に勝敗の帰趨が決した。小田城は戦国時代も小田氏の居城として存続したが、1555年(天文24)に下総の結城政勝に奪われ、その後城主の小田氏治は同城を奪い返したものの、1569年(永禄12)には手這坂合戦で佐竹義重に敗れて、再び城を失った。以降、小田城は佐竹氏の支城の一つとなったが、関ヶ原の戦いの後に佐竹氏が秋田に国替えになった際に廃城となった。城跡は遺構の保存状態もよく、つくば市による発掘調査などを通じて、小田城は東西500m、南北600mの城域を有した輪郭式の縄張りで、三重の堀や大小の曲輪(くるわ)があったことがわかってきた。2014年(平成26)には中世の小田城の姿を復元した歴史広場が復元・再生される予定になっている。首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスつくば駅からバスで小田十字路下車。またはつくバスで小田城跡入口下車。

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世界大百科事典内の小田城の言及

【筑波】より

…北条付近の多気(たけ)には平安時代に大掾(だいじよう)氏が拠ったが,鎌倉初期に小田氏に追い落とされた。小田氏が築いた小田城では南北朝期に北畠親房が《神皇正統記》を著している。中心集落の北条は古くは筑波山の登山口で,周辺農村の小商業中心をなし,山麓南斜面にある筑波は筑波山神社の鳥居前町として栄えた。…

※「小田城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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