小矢部(市)(読み)おやべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小矢部(市)」の意味・わかりやすい解説

小矢部(市)
おやべ

富山県西部にある市。1962年(昭和37)石動(いするぎ)町と礪中(とちゅう)町が合併して市制施行。小矢部川中流域を占め、あいの風とやま鉄道(旧、JR北陸本線)、北陸自動車道、能越自動車道、国道8号、359号、471号が通じる。また、北陸自動車道と能越、東海北陸両自動車道が接続する小矢部砺波(となみ)ジャンクションがある。中心の石動は、1638年(寛永15)に今石動に奉行所が置かれ、礪波(となみ)、射水(いみず)両郡のほか城端(じょうはな)、氷見(ひみ)の2町も支配した。また江戸時代は北陸道の宿場町としても栄えた。現在、紡績、ゴム、自動車部品工業のほか、れんが、瓦(かわら)などの窯業も盛んである。市域西部の倶利伽羅峠(くりからとうげ)には不動寺があり、付近の礪波山とともに源平の古戦場。山麓(さんろく)の埴生(はにゅう)に護国八幡宮(はちまんぐう)(本殿、釣殿、拝殿及び幣殿は国指定重要文化財)がある。この県境一帯の丘陵性山地は倶利伽羅県定公園。子撫(こなで)川流域は成長の早いボカスギ(暈杉)の産地で流域は宮島峡として知られ、ナイアガラ型の一ノ滝と甌穴(おうけつ)群は県指定天然記念物。旧今石動城跡の城山公園サクラ名所。花曳山(はなびきやま)で知られる愛宕(あたご)神社春祭有名。面積134.07平方キロメートル、人口2万8983(2020)。

[深井三郎]

『『小矢部市史』上下(1971・小矢部市)』『『小矢部市史』おやべ風土記編(2002・小矢部市)』『『小矢部市史』市政40年史編(2002・小矢部市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例