尾上松緑(読み)オノエショウロク

百科事典マイペディアの解説

尾上松緑【おのえしょうろく】

歌舞伎俳優。屋号音羽(おとわ)屋。初世〔1744-1815〕は前名尾上松助。敵(かたき)役を得意とし,早替りの技巧を工夫し,怪談物を創始した。2世〔1913-1989〕は7世松本幸四郎の三男。早くから6世尾上菊五郎の下で修業し,1935年襲名。立役(たちやく)専門で,世話物,舞踊に長所を示した。1972年人間国宝。1987年文化勲章。3世は2世の長男である初世尾上辰之助〔1946-1987〕に追贈。4世〔1975-〕は3世の長男。2世尾上左近,2世尾上辰之助を経て2002年襲名。
→関連項目藤間流

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世界大百科事典 第2版の解説

おのえしょうろく【尾上松緑】

歌舞伎俳優。2世まで。(1)初世(1744‐1815∥延享1‐文化12) 初世尾上松助が1809年(文化6)11月江戸市村座で松緑と改名した。大坂生れで1755年(宝暦5)尾上菊五郎の門弟となり,61年尾上松助となる。1804年(文化1)7月河原崎座の《天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)》の早替りで大当り,作者4世鶴屋南北とコンビを組み,怪談役者の異名をとる。ほかに《加賀見山旧錦絵(かがみやまこきようのにしきえ)》の岩藤など。

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大辞林 第三版の解説

おのえしょうろく【尾上松緑】

(二世)(1913~1989) 歌舞伎俳優。東京生まれ。七世松本幸四郎の三男。六世菊五郎の芸風を継承し優れた芸を示した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

尾上松緑
おのえしょうろく

歌舞伎(かぶき)俳優。屋号音羽(おとわ)屋。[服部幸雄]

初世

(1744―1815)初世尾上松助が1809年(文化6)改名して松緑を名のった。[服部幸雄]

2世

(1913―89)本名藤間(ふじま)豊。7世松本幸四郎の三男で、11世市川団十郎と松本白鸚(はくおう)の弟。1935年(昭和10)2世を襲名。37年、舞踊の藤間流家元4世藤間勘右衞門(かんえもん)も継ぐ。6世尾上菊五郎の薫陶を受けてその芸風を継承し、世話物(せわもの)、時代物、荒事(あらごと)、舞踊の立役に優れた足跡を残し、翻訳劇や新作にも意欲を示した。72年重要無形文化財保持者、73年芸術院会員となり、87年文化勲章受章。75年、藤間流家元を長男に譲り、自身は2世藤間勘斎(かんさい)と名のった。[服部幸雄]

3世

(1946―87)本名藤間亨(とおる)。2世の長男。1952年(昭和27)初世尾上左近(さこん)の名で初舞台ののち、65年初世尾上辰之助(たつのすけ)を名のった。75年に父から藤間流家元を継ぐ。将来を期待されていたが早世。没後3世松緑を追贈される。[服部幸雄]

4世

(1975― )本名藤間嵐(あらし)。3世の長男。1981年(昭和56)2世左近を名のり初舞台。89年(平成1)藤間流家元となる。91年に2世辰之助を名のる。2002年4世松緑を襲名。[服部幸雄]
『尾上松緑著『松緑芸話(げいばなし)』(講談社文庫)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

おのえ‐しょうろく【尾上松緑】

(二世) 歌舞伎俳優。屋号、音羽屋。本名は藤間豊。七世松本幸四郎の三男。六世尾上菊五郎に学び、特に世話物に優れた。舞踊では藤間流家元、四世藤間勘右衛門として立役の名手とされた。人間国宝。文化勲章受章。大正二~平成元年(一九一三‐八九

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