朝日日本歴史人物事典 「山下金作(2代)」の解説
山下金作(2代)
生年:享保18(1733)
江戸中期の歌舞伎役者。俳名は里虹,屋号は天王寺屋。初代中村富十郎の門人中村半太夫として活動を始める。寛延2(1749)年に,前年引退していた初代金作の養子となり2代目を襲名する。以後,上方と江戸を往来,地芸,特に濡れ事にすぐれた色っぽい若女形として人気があり,後年は女武道や敵役もよくした。当たり役のひとつに八百屋お七があるが,この役で使った笄をかたどった「金作花笄」が売り出され流行した。まるまると肥った大柄な体格に特徴があった。3代目金作はこの人の養子。4代目は幕末に活躍した。その養子に5代目,6代目がおり,金作の名前は明治10年代まで続いた。いずれも若女形である。
(池山晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報